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食の安全とはどのように担保されているのでしょうか?

スーパーなど牛肉のパックを手にしたとき、牛肉の見た目や色、価格だけで選んでませんか?

それ以外にも見ておかなくてはならないのがラベルにある11桁の個体識別番号です。しかし、インターネットの普及で手持ちのスマートフォンでもどのような牛なのかわかるのでしょうか?

今回は、

  • 手持ちのiPhoneやスマートフォンですぐさま見れるのか?
  • 個体識別番号とは何か?
  • 個体識別番号でどのような情報が見れるのか?
  • などを記載していきます。




    牛の個体識別番号は、お手持ちのスマートフォンで可能です。

    個体識別番号とは?

    牛の個体識別番号(牛個体識別制度)とは、平成13年において日本で初めて発見された牛海綿状脳症の蔓延を抑止する措置の土台であり、牛に関わる牛の個体識別情報といいます。

    家畜改良センターが管理していますが、畜産とその関連産業の健全な発展と共に消費者の利益(安心・安全)の向上を図ることが目的です。

    又、牛海綿状脳症には、BSE問題と位置づけられこれまで牛の一頭一頭に出生後耳標がつけられ(牛の耳にタグがつけれれています)、それを個体識別番号とし、消費者が牛肉を購入されるラベルに11ケタの番号が記載されています。

    これは、法的に義務づけられています。また、飲食店において表示義務において緩和されていますが、真剣に消費者のために考えれているお店は必ず表示されています

    個体識別番号の管理体制は、食肉の流通において原則伝票においては、記載が義務づけられており又、帳簿の記載や記録においては、3年以上のパソコンでの管理と帳簿の管理が義務づけられており、これを怠ると罰則規定があります

    食肉の流通上この個体識別番号はなくてはならいものですが、現在において食中毒や食品の事故などの原因究明に使用されることが多く管理義務が非常に重要しめします。

    また、牛個体識別番号の記録事項のうち一部分以外は、法規のによって基づき公表されており、それを家畜改良センターの管理する検索画面で個体識別番号を入力すると牛の個体識別番号が表示されます。

    尚、公表から除かれているものも管理者が(輸入輸出も含む)公表することに同意した場合インターネットで公表されています。

    個体識別番号から得られる牛の情報

    公表に関して以下の事項があります。

    (公表事項)

    • 個体識別番号
    • 出生又は輸入の年月日
    • 雌雄の別
    • 母牛の個体識別番号
    • 飼養施設の所在地(都道府県名)
    • 飼養施設における飼養の開始及び終了の年月日
    • とさつ、死亡又は輸出の年月日
    • 牛の種別
    • 輸入された牛について、輸入先の国名
    • と畜場の名称及びその所在地
    • 輸出された牛について、輸出先の国名

    (同意を得て公表する事項)

    • 管理者の氏名又は名称
    • 輸入者の氏名又は名称
    • と畜者の氏名又は名称
    • 輸出者の氏名又は名称
    • 飼養施設所在地(都道府県名を除く)

    出典「家畜改良センター(個体識別検索システム)」

    ここからわかる情報においては、誰が生産し、どのような業者を通じて流通しているのか、屠畜してから販売されている期間がわかるようになります。購入したものは新鮮なのかや和牛なのか、輸入や国産など、購入したものがどのようなものなのか明確に理解できるようになります。

    この制度で、偽装することが難しく業者間の流通や販売店で、無作為にDNA監査があり、商品と個体識別番号の違いがあれば調べられ、個体識別番号からどの業者間で間違いがあったのか明確にわかります

    又、業者が分かり次第厳重に注意され、何故そのようなことがあったのか、今後どのような対応するのか、作業工程などの改善を求められ、改善後の書面回答と反省文が求められます。又、幾度となく注意があれば罰則規定もありますので、非常に信頼のある制度だと思います。

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    日本のBSE対策について

    BSEにおいて食肉業界は、きびしい状況に陥ったのは業界では知らない人はいないぐらいでした。

    この時に発生した牛海綿状脳症で人体に影響があるとの一連の事件(イギリスが最初)から牛肉の流通はストップし、ある地域においては、国産の牛肉が1キロ50円で取引され、当社でも仕入れをしたものは、行政の通達で全て償却処分しました。非常に混乱した状況なのは、私だけでないと思います。

    ここでは日本国のBSE対策について、生産・流通現場における対策をふれておきたいと思います。また、生産について詳しく別のカテゴリーで説明していきたい思います。

    肉骨粉の使用禁止

    農林水産省は1996年4月、日本国の牛がBSEに感染することを防止するため、牛等の肉骨粉を牛に与えないように指導した。しかし、日本においてBSE感染牛が確認されたことをふまえ、新たな牛への感染を防ぐための措置として、平成13年11月1日の飼料安全法の改正により、牛への肉骨粉の給与を禁止等の厳しい規制がされ、牛が異常プリオンを新たに摂取すること防止しています。

    また、1996年4月16日から英国産肉骨粉の輸入が禁止され、2001年1月1日からEU諸国産等も禁止となり、2001年10月4日には全面的に緊急輸入一時停止措置が行われています。

    動物性油脂等、魚粉の規制

    農林水産省は、BSEの感染防止対策の一環として、「飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令」で、動物性油脂の不溶性不純物の含有量が重量換算で0,15%以下、特に、牛の代用乳用については0.02%以下の規制しました。

    さらに、飼料用動物性粉末油脂等については、輸入停止措置がとらています。又、飼料用の魚粉中への動物性タンパク質の混入の有り無の調査で、一部の魚粉工場から混入が認められ、平成14年2月以降、魚粉を用いた牛用の飼料の製造・出荷の停止を要請しました。

    生体検査

    BSE感染牛が確認(日本)されたことをふまえ、各都道府県の家畜保健衛生所(食肉衛生検査所)は平成13年9月末までに国内で飼育されているすべての牛459万頭について臨床的に検査し、結果BSEを疑うような症状の牛は認められませんでした。

    尚、疫学的にBSEを疑われる可能性のある牛についての調査は続いています。

    肉骨粉を給与された牛の取り扱い

    肉骨粉を給与された牛が、搾乳終了後に廃用等される際には、生産者の同意の下に家畜保健衛生所(食肉衛生検査所)でBSE検査が行われ検査データが収集され、当該牛は焼却されることになっています

    また、肉骨粉を給与された牛の死亡・廃棄牛となった場合は、家畜保健衛生所で必ず病性鑑定が行われています。

    トレーサビリティの確立

    全ての牛に生涯一つの個体識別番号を付与し、個体の移動歴等を把握する「牛個体識別制度」を確立するため、日本で飼育されている全ての牛に耳標が装着されるようになりました。現在、家畜個体識別センター機器の整備、個体情報を効率的に収集し全国にデータベースを送信するための整備がなされています。

    肉骨粉の輸出の調査

    日本がBSE汚染の疑いのある肉骨粉を輸入した可能性のある相手国に対し、生産、輸出、流通実態、日本向けの消毒処理状況等を調査する目的で調査員を派遣し、事実関係の調査を実施しています。

    イギリスで肉骨粉が全面的禁止された1996年以前の同国産肉骨粉はBSE汚染の危険性が高く、これらがアジア諸国に輸出されている可能性があるが、その流通経路は必ずしも単純ではないので、農林水産省により今までにイギリス、イタリア、デンマーク、タイ、韓国、台湾、インドネシア、フィリピン、中国について調査がされています。




    感染源・感染経路の究明

    国内でBSE感染牛と確認された4頭について感染源及び感染経路を解明するために、感染牛・同居牛の履歴、肉骨粉の給与をはじめ、汚染肉骨粉の牛用の飼料への混入・誤用の可能性、過去に輸入された肉骨粉の使用実態等幅広く調査がなされています。しかし、現時点において明らかになっていません。

    BSE研究センター

    BSE感染牛数十頭を隔離肥育し、感染や症状、検査方法に関する研究が可能な施設が平成14年に設置された。(独)動物衛生研究所(茨木県)でBSEの真のすがたを解明し、畜産振興及び食肉の安全性に多大な貢献をするものと期待されています。

    と畜場等における食肉の安全対策

    法的規制

    と畜場法の規制の改定がおこなわれその要点が2点あります。

    • と畜場において解体された牛の頭部(舌及び頬肉を除く)、脊髄及び回腸(盲腸との接続部分から2mまでの部分に限る)(以下「危険部位」)については焼却する。
    • と畜場において解体された牛の特定危険部位は、枝肉及び食用に供する内臓の汚染を防ぐように処理する。また、牛海綿状脳症対策特別法では、と畜場解体された牛の肉、内臓、血液、骨及び皮をBSE検査が終わる前にと
    • 畜場外に持ち出すことが禁止されています。
    BSE検査以前の牛肉の焼却

    BSE全頭検査以前に屠殺された牛の肉は、市場隔離のために凍結保管されています。凍結保管された牛肉は、順次焼却処分されています。

    まとめ

    個体識別番号から様々な情報を得ることができ、また、そのきっかけとなったBSE問題は、現在では少しずつ緩和されています。

    これまで食用できなかった部分など食べれるようになりました。あまり知られていないかもしれませんが、頬肉は、一頭に2つしかとれないと思っているかと思いますが、実は、頬肉には外頬とうち頬があり、計4つの食用が可能になりました。

    まだまだ他にありますが、BSE問題から長い年月が経ちましたが、これまでの生産農家や業者の方々や関連団体の努力で、今では海外からも日本の食肉の安全性は評価されています。

    よって規制は緩和されつつありますが、牛自体の生産頭数の減少が急速に高まっています。近い未来に焼き肉をするときは、ほとんど輸入品しかなく和牛そのものは規格に関係なく、最高級品になる日は近いかもしれません。