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牛肉の部位の特性と英語の名称などの料理用途まとめ

約 11 分
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農林水産省畜産局は、合理的な食肉小売販売を通して消費者への利益を目的に「食肉の小売品質基準」を制定しています。

この趣旨と目的は、増え続ける食肉の消費に対して正しい食肉の知識を持ち、合理的で経済的な食肉消費を普及させることにあります。また、牛肉においては、部位別の特性がそれぞれはっきりしていますので、調理の目的によって正しい使い分けをすることが大切です。

牛肉の英名や部位とそれぞれの特徴と料理用途をまとめました

(社)食肉格付協会が定めています「牛部分肉規格」は、13部位に分類されていますので、これに従って一部では更に細分化した小分割部位の呼称も含めて解説していきます。

なお、部分肉のカットの位置が必ずしも同一ではありませんが、これに近い部位で「関西名」「英米名」などによる呼称も記載していきます。




牛肉の部位名とそれぞれの特徴と英米名

ネック

くびの部分で、肩ロースに続いています。

運動をよくする部分ですから、肉色は濃いめできめは粗く、肉質は硬い部位です。しかし、ほとんどが赤身ですから、ひき肉にするのに最適な部位と言えます。

また、豊富なエキス分、ゼラチン質を持っていますので、煮込みにしますと「すね」と並んで良いスープストックの素材となります。

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名称 ネック
関西名 ネジ
英名 ネック

うで(かた)

うでの部分を総称して牛かたと呼んでいますが、みすじ、さんかく、とうがらしなどの数多くの筋肉の集合体です。

総じてよく運動する部位ですから、筋肉や腱などが多く、肉色はやや濃いめです。従って、きめが粗く肉質も硬い部位に属します。

エキス分やゼラチン質は豊富ですから、煮込み料理やスープの材料としても最適です。また、筋膜や腱を取り除いて薄切りにしますと、硬さに難はなく相当広い範囲の牛肉料理に利用できます。

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名称 みすじ、とうがらし、かたさんかく、うわみすじ、こさんかく
関西名 うで、とんび
英名 クロッド、チャックテンダー

肩ロース

肩に位置するロース部位で、胸最長筋の先端部分がここからリブロース、サーロインにかけて長く続いています。

この筋肉は、最もきめの細かく軟らかなところです。その周辺の筋肉も、胸最長筋と同様の特性を持ち、肉質の優れた最高の部位に属します。和牛の理想肥育したものは、鮮やかな霜降り状態の脂肪交雑となります。

薄切りにしたものは、もちろん問題なく広い範囲の牛肉料理に向きますが、やや厚切りで焼肉用にすればコクのある風味が楽しめます。

カタロース整形前
カタロース整形前
名称 かたロース
関西名 くらした
英名 チャックロール

かたばら

かたの部分にあるばら肉で、厚みのあるのが特徴です。胸骨の部分にある「むねこぶ」と呼ばれるばらの先端部は、肥厚して硬い部分となります。

肩ロースに接する一部は、脂肪交雑がよく入り、濃厚な風味のある部分で、英名で「ショートリブ」と呼ばれる部分は、ほぼリブロースと同等の価値で評価されています。

かたばら(三角バラを除去した「かたばら(ブリスケット」)
さんかく 整形前
さんかく 整形前

韓国料理の焼肉でカルビ焼き(ばらの焼肉)のうち、高級なものはこの部位を使用します。薄切りにしたものは、もちろん硬さに難がありません。筋膜などはトリミングせずに、また骨付き状態のままm煮込みば最高のスープがとれます。牛肉好きの通は、この部位を高く評価して賞味しています。

名称 かたばら
関西名 うでばら
英名 ブリスケット、ポイントエンド

ともばら

リブロースとサーロインに接続するかたばらの後方に位置します。通常、「ばら」と呼ばれているのは、この部位のことです。総じて、繊維質、筋膜が多く、肉のきめは粗い部分ですが、よく脂肪交雑が入り、濃厚な風味をもっています。

薄切りや煮込みにすれば調理上難はありません。大衆的な牛丼や焼肉は、おおむねこの部位を一般的に使用しています。

また、肋骨をばらに付けて骨付き状態のままカットしたものは、煮込みにしますと濃厚なスープがとれます。煮込みにしますと濃厚なスープが取れます。煮込むことで骨周辺の骨膜、筋膜が軟らかくなると、大変おいしものになります。

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名称 ともばら
関西名 ともばら
英名 ネ(ナ)ーベルエンド

ヒレ

牛の他の部位との比較では、最も運動をしない筋肉なので一番柔らかい部位となります。一頭の牛から得られる牛肉の中で、ヒレの占める割合はわずか3%程度しかありません。従って、最も高く評価される部位となります。

ヒレ本体には、脂肪はほとんどありません。ヒレを覆うように腎臓脂肪の一部とその周辺の脂肪が付着していますが、精肉にする際にこれらもほとんど除去されます。

肉の断面は、ビロード状にきめが細かく見えます。このようにきめの極めて細かい部位を調理する際には、煮すぎたり焼き過ぎたりしないことです。過度に加熱すると、表面が硬くしまり、本来持つ風味を損ないます。ステーキにするなら、ミディアム位までで、それ以上熱を加えることは勧められません。また、ミディアム程度に熱が通った肉の方が消化が良いとされています。

ヒレの名の由来は、フランス語でこの部位のことを「フィレ」と呼ぶことから「ヒレ」となりました。次の図に出てくる呼称は、フランス料理名の一端にでてくることがあります。幅の広い部分は薄く、狭い部分は厚切りにして目方をそろえて使うと良いでしょう。

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②~④までは、クール・フィレと呼ばれています。

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名称 ヒレ
関西名 ヘレ
英名 テンダーロイン

リブロース

胸最長筋の最も肉厚の部分です。 肥育した牛のリブの断面は、見事な霜降り状態の脂肪交雑となります。若齢のものでも、きめの細かい優れた肉質を以ています。「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」「ローストビーフ」「ステーキ」などの代表的な牛肉料理に最適な部位です。

オーストラリア産のリブロースは、外側の「かぶり」と呼ばれる部分を除去し、ほとんどロースの芯(胸最長筋)の部分にしたものを「キューブアイロール」と呼んでいます。アメリカでは、ほぼ同様のカットしたものを「リブアイロール」と呼び、ヒレ、サーロインと比肩する価値をもつ最高部位とされています。

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名称 リブロース
関西名 ロース頭
英名 リブロイン

サーロイン

「リブロース」と「らんいち」に挟まれた部位で、カタロースから始まる胸最長筋の末端部分です。ロイン3点(リブロイン、サーロイン、テンダーロイン)のうち、サーの称号を冠する最高の肉質を持つ部位です。

代表的なステーキ部位で、通常、サーロインステーキというと一番親しまれたステーキ名です。レストランなどでこのステーキを注文しますと、ウエイターに「焼き加減」を尋ねられます。焼き加減を注文できるステーキは、どんな焼き加減にも対応できる優れた肉質の部位である証拠でしょう。

焼き方は、おおよそ次のような呼び方でその程度を表します。

 

  • ベリーレア(ほとんど生焼け)
  • レア(生焼け)
  • ミディアムレア(中位よりやや生焼け)
  • ミディアム(中位の焼き加減)
  • ウェルダン(よく焼けたもの)

 

サーロインを骨付きのままでステーキ・カットしたものを食べる機会がありますが、代表的なカットの仕方には次の2があります。

ティーボーンステーキ

サーロインに骨を付けたまま、内側に付いているヒレを同時にカットしたものです

。断面の骨の形状がT字型をしているので、このように呼ばれています。風味のよいサーロインと柔らかいヒレが同時に味わえる、極めて豪華な最高のステーキカットです。現在では、一部を除いてBSEによってできなくなっています。

エルボーンステーキ

サーロインについた骨がL字型に残るようにカットしたものをエルボーンステーキと言います。英国の格言で「肉は骨に近いほどうまい」というものがあります。骨に沿ってきれいに肉をはがしながら味わいますと、本当の牛肉のうまみに出会ったと感激することでしょう。

骨についている骨膜、そして筋膜などが牛肉の味を一層引き立ています。

名称 サーロイン
関西名 ヘレした
英名 サーロイン、ストリップロイン

うちもも

モモ系の部位の中では、最も重量的に占める割合の高い部位です。内側に付着している皮下脂肪を取り除けば、ほとんどが赤身の大きな筋肉の塊です。

赤身を好む人には最適の部位です。ほとんどの牛肉料理に適し、ブロックにして「ローストビーフ」、柵どりにして「たたき用」など、整った形状での利用が可能です。アメリカでは赤身中心の健康志向から、ラウンドステーキとして人気がある部位です。

名称 うちもも
関西名 うちひら
英名 トップサイド

しんたま

うちももとはほぼ同様の肉質を持つ赤身中心の部位です。

周辺の「かぶり」と呼ばれる部分は、やや肉のきめは粗いのですが、その内側はきめが細かく柔らかいです。小割した部位に「しん芯」と言い、焼肉用としても使われることがありますが、ほとんどは、こま切れか、しゃぶしゃぶ用に使われます。

しんたま マル 整形前
しんたま マル 整形前
名称 しんたま
関西名 まる
英名 シックフランク

らんいち

サーロインに接続する部位で、モモ系の部位の中では背側に位置し、「らんぷ」と「いちぼ」と呼ばれる大きな筋肉の塊から構成されています。また、らんいちは、ロイン3点の高級部位に次ぐ準高級な部位として評価の高いところです。

背脂肪を除去すれば、ほとんど筋間脂肪もない柔らかな赤身肉です。ステーキメニューのうち、サーロインと同様に「ランプステーキ」はよく知られています。ほとんどの牛肉料理に適していますが、特に焼く料理に最適な部位です。

名称 らんぷ
関西名 らむ
英名 ランプ



そともも

モモ系の部位では最も運動量の多い部位です。従って、全体的に肉のきめが粗く、肉質はやや硬い部位となりますが、薄切りや煮込みに用いれば問題ありません。

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そとももは、「はばき」「しきんぼう」「なかにく」の3つにわけられます。「はばき」は、すねに近い特質をもっています。

「しきんぼう」は、最もきめの粗い部位ですが形状が整っていますので、使用目的によっては利用範囲が広がります。「なかにく」は、きめはそれほど粗くありませんので、一般的な牛肉料理に利用できます。

欧米では、この部位を生コンビーフ(チルド状態で一週間位塩漬けしたもの)に加工して市販しています。また、肉質が硬いにもかかわらず好んでこの部位を調理の素材として利用しています。

名称 そともも
関西名 そとひら
英名 シルバーサイド

すね(まえすね・ともずね)

前肢のものを「まえすね」、後肢のものを「ともずね」と言います。特質は、両者共にほぼ同一ですが、スープストックを取るには「ともずね」の方が良いとされています。

運動量の多い部位ですから肉のきめは粗く、肉質は硬いところです。

また、筋膜、腱なども多く介在していますが、エキス分やゼラチン質に富んでいます。そのため、レストランなどでは、骨付きの状態のまま煮込みます。肉はほとんど赤身ですから、ひき肉や煮込み料理にはむしろ貴重な部位として高く評価されています。

「牛すじ」として使われることが多く、肉そのものの味わいが堪能できます。

名称 まえすね
関西名 (まえ)ちまき
英名 シン

 

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名称 ともずね
関西名 ともちまき
英名 シャンク

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まとめ

今回は、各部位の料理用途や特徴をおさえたものですが、ここを抑えておかなければ肉本来の生かし方がわからないようになりますので、是非とも参考にしたいところです。

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