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エムマート市場にあるひき肉などのリテールカットとは?

約 7 分
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ご覧頂きありがとうございます。

Mマート市場(食材卸売場)には、多様な商材が眠っています。

価格帯も競合さながらの安いものから珍しい品種(日本短角種など)などの様々販売されています。

ただ、聞きなれない言葉などはあるかと思いますが、今回は「リテールカット」について着目していきます。

リテールカットとは形態別の商品づくりに欠かせないポイントです。

エムマート市場からひき肉用などの販売がなされているものが多数あります。しかし、リテールカットとはどういったものなのか、聞きなれない言葉について触れていきたいと思います。

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形態商品づくりには、基本的にブロック、切り身、スライス、角切り、ひき肉(ミンチ)の5種類があります。

今回は、その5種類のリテールカットについてポイントを踏まえながら記載していきますので、是非とも参考になればと思います。




ブロック

第一にブロック肉を提供する際、まず部位の特徴と調理方法を十分に考えて商品を提供することが大切です。例えば代表的な料理のローストビーフは、使用部位としては、小割部位の中にすじの少ない、ロイン、もも系の部位を多く用いるのが一般的です。

なぜならすじが入っていれば、調理の段階ですじが硬くなりそれによって商品価値を損ねてしまうからです。このため、焼き物、煮もの、蒸し物など調理メニューにあった部位を選択することが大切です。

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第二に量目と売価です。ボリューム感を意識しすぎて、ブロックあたりの量目が多くなりすぎたり、売価が高くなりすぎてしまえば、売れる商品とはなりません。また、家庭での調理器具の大きさや家族人数などを考えることもポイントです。

第三に「商品の美しい顔を見せる」ということです。このことを技術的にみれば、切り口の美しい部分を整った形で人の目の前に出すという事です。

そのためには、ブロック肉の提供においても用途の大きさに合わせた柵どりの技術が重要になってきます。

切り身

ステーキ用

第一に部位の選択です。ステーキは、一般的に部位そのものの味である「ジューシーさ」と、やわらかさを兼ね備えた部位を選択することです。

第二に厚さと量目です。部位そのものの味、「ジューシーさ」は、ある程度、肉に厚みがないと焼く段階で肉汁がでてしまい旨みを失ってしまいます。そのためには、大きさより、厚みを重視したカッティングをするように心がけることがポイントです。

特にモモ系部位の赤身肉は、薄くカッティングしてしまうと、肉がしまって硬くなってしまうことが多く、厚みと量目を考えてミニステーキ用、サイコロステーキ用として提供します。

第三に商品の顔です。同じ売価のステーキ用商品の顔が1枚1枚違わないように、脂肪とすじの付着状態、大きさをそろえることが大切です。

焼肉用

ステーキ同様、第一は部位の選択です。焼肉用の使用部位は、大きく分けて赤身部位と霜降り状態の部位に分けることができます

赤身部位と霜降り状態の部位の熱の伝わり方等を比較してみると、霜降り状態のものは、脂肪が肉の中に入っている分だけ熱の伝わり方は赤身部位に比べて緩やかで、ジューシーさの点からいっても一般的に勝っています。

このことから、赤身部位を使った焼肉用商品づくりで注意することは、ある程度肉自体が柔らかく、焼肉用の厚さ(一般的に5ミリ程度)にカッティングできる部位を選ぶことがポイントとなります。

また、霜降り状態の部位の中にも脂肪の質が柔らかい部分と多少硬いものがあるので注意してカッティングする必要があります。

第二に商品の大きさ(サイズ)です。焼肉用の肉は、箸を使って一口で食べられるくらいの大きさが良いです。

これは、あまり大きすぎると口の中で、何回もかまなくてはいけなくなり、そのことによって硬さを感じてしまうことがあるからです。

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第三に第二のポイントに関連することです。原料肉の柵どりに十分注意をすることです。

柵どりの仕方が悪いと断面の大きさの違った焼肉用の商品ができ、商品の見栄えを悪くするのはもちろんのこと、ロスにもつながるからです。

スライス肉

スライス肉の料理用途は、煮ものや焼き物などかなり幅広いですが、やはり部位の特徴を用途に結びつける意味からも、第一は用途に応じた部位の選択になります。例えば煮ものの場合(すき焼き等)は、肉から「だし」を出して、その「だし」の味や香りを楽しむといったことです。

したがって、牛肉では霜降りや筋間脂肪の入りやすい「かた系」や「サーロ、リブ」、「ともばら」といった味の濃い「だし」の出る部位を選択することが基本となります。

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第二に用途にあった厚さでスライスすることです。すき焼き用、しゃぶしゃぶ用に提供する際のスライス肉の厚さは当然違います。料理用途を考えた厚さで提供することです。

角切り

角切りは、カレー用、シチュー用といった料理用途の材料としてよく使われます。

料理用途に対する部位の特徴は、カレー用は、多少脂肪の入っている部位、シチュー用は赤身が多い部位を使用したほうが、その目的にあっています。また、煮込み時間を考えて、一つ一つの大きさをそろえることも大切です。

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ステーキ用商品群にサイコロステーキ用がありますが、これも角切りの形状で提供する商品の一つです。

この商品は、ステーキを手軽に料理してもらえるようにと商品開発されたものですが、肉質的には十分ステーキで食べられるが、肉の形やサイズが多少悪いものでも角切りにカットして提供できるなどロス対策としての利点もあります。

ひき肉

ひき肉は部位により味・用途が違うことは言うまでもありませんが、ひとくちに「ひき肉」といっても、グランドミート(部位別のひき肉)、ミンチ(トリミングミートをひき肉にしたもの、整形や小割・すじ引き作業中にでてきた小肉)、パティ(ひき肉に野菜や調味料を混ぜ合わせ味付けしたもの)の3種類に大きくわけることができます。

ひき肉を商品化するときの工程は、①原料肉をチョッパー(ひき肉機)に入る大きさにカットします。

②粗びき用のプレートでチョッパーにかける。③冷蔵庫に入れ冷やす。④予冷後、仕上げ用のプレートでチョッパーにかけ、盛り付ける。という工程になります。

ひき肉は、精肉商品の中でも最も温度管理が難しく、チョッパーの性能にもよりますが、刃の切れ味が悪く、馬力の小さいものでは、肉を練ってしまうため、場合によっては一度に5℃以上、肉温を上昇させてしまうことがあります。

そのため、原料肉は予め温度を低くしておことが大切ですが、あまり低すぎると、原料肉が硬過ぎてチョッパーが動かなくなったり、ひき肉が発色しなかったりするので、原料肉の温度は、一般的に-2℃~-4℃程度が望ましいと考えれています。

尚、ひき肉商品のバリエーションは、一般的に畜種、品種、部位、赤身率、プレートサイズ、畜種混合割合別などにわけることができます。

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まとめ

今回は、エムマート市場において聞きなれない言葉である、リテールカットについてポイントを抑えたものになりましたが、大切なのは料理用途、部位の選択肢によって違いがあるため、それらにあわせることが重要ではないかと思います。

肉の取り扱いには、食文化の関連していることが多数ありますが、料理用途が多いほど肉の商品も多様化していきますので、是非とも抑えておきたいところです。