エムマート(牛肉市場)|「ランイチ」部位の活用方法とは?

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Mマート市場(食材卸売場)で掲載されている「ランイチ」部位についてのランイチの活かし方について解説した記事になります。

希少価値の高い部位の集合体でもある「ランイチ」部位は、この価値をどのように提案していくことが大切なポイントになります。

今回は、その一例とともにご紹介していきますので、是非ご参考にと思います。

この記事を読むとわかること

  • ランイチ部位の特徴とは?
  • ランイチ部位の入手方法。
  • ランイチ部位の分割の仕方から商品化について

専門性の高い記事内容になっていますが、ランイチの扱い方について解説していきます。

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目次

準高級部位の「ランイチ」には深い味わいが堪能できる

エムマートとは、業者間において食材の取引を繋げる役割を果たしているサイトになります。

なるべく安く食材を仕入れたい、普段仕入れている業者だけでなく様々なもの試してみたい、ここでしか手に入りづらいものと様々な状況に対して応えていただけます。

また、牛肉の高騰による余儀なく食材を変更しなくてはいけない状況においてもこのサイトの利便性があります。

サーロインが高すぎて買えない状況におちいる時、比較的安価で購入できるのが「らんいち」という部位になります。

ステーキとしての代替えや焼肉、ミニステーキなど特に名が知られている「いちぼ」もこの部位に含まれます。

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サーロインに接続する部位「らんいち」は、もも系の部位の中では背側に位置し、「らんぷ」と「いちぼ」と呼ばれる大きな筋肉の塊から構成されています。

また、らんいちは、ロイン3点の高級部位に次ぐ準高級な部位として評価の高いところです。

背脂肪を除去すれば、ほとんど筋間脂肪もないやわらかい赤身肉です。ステーキメニューのうち、サーロインと同様に「ランプステーキ」はよく知られています。

ほとんどの牛肉料理に最適な部位です。

名称は「ランプ」とも呼ばれ、関西において「ラム」とも呼ばれています。

今回は、整形・筋引き、小割から商品化までと海外でのステーキカットの一例を紹介していきます。



整形・筋引き・小割方法

らん表面の背側、すじ、脂肪を除去します。
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仙尾椎(シッポの部分)のすじを除去します。
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「らんかぶり」を除去します。
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らんから「ネクタイ」を分割します。
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そとももの切断面から、「らん」と「いちぼ」に分割します。
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左側から「かぶり(A)」、「ネクタイ(B)」、「らん(C)」、「いちぼ(D)」
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らんの脂肪は5ミリ程度の厚さに整形する。

ただし、脂肪の質や商品づくりの違いによりすべて除去する場合があります。

脂肪の質のよいものは、脂肪を付けて「すき焼き用」にスライス、脂肪を3ミリ程度付けて「ステーキ用」や「しゃぶしゃぶ用」に商品にできます。

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そともも切断面からの太すじに沿って、「らん」と「らんぼそ」に分割します。

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分割線がわからない場合は、部位を裏返してすじの位置や筋繊維の流れの違いをよく見て切断するとよいです。

左側が「らん(A)」、右側が「らんぼそ(B)」。
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「らん」の「そともも」よりの太すじを5センチ程度除去します。
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「いちぼ」のすじひき・整形・分割

いちぼの脂肪を3ミリ程度に整形します。
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そともも側から15センチ程度の脂肪は除去します(ここのすじが硬いので、脂肪を除去後すじをひく)。
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表面のすじを除去する。はじめに仙・尾椎側のすじ、次に「いちぼ」表面のすじを除去します。

この場合(A)の部分にすじが入り込んでいるので、すじの上の肉をめくり1,5センチ程度中すじを除去します。
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「らん」の商品化

一般的に「らん」はその付着している脂肪の質により商品化が違います。脂肪の質のよいものは、5ミリ程度脂肪をつけ、スライスし「すき焼き用」、脂肪を3みりにして「しゃぶしゃぶ用」に商品化します。
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らんぷをサーロイン切断面から厚さ2センチ程度にカッティングし、「ランプステーキ」ができます。

また、「らん」を中央から1/2に柵どりをし、「ミニステーキ」もできます。

最後の部分に近づくにつれて、肉質が硬くなるので、最後の部分から7センチ(肉質にもよります)程度になったら「焼肉用」、最後の部分から3センチ程度は「カレー用」にカッティングするなど肉質によってカッティングの厚さを変えて商品化となります。

「らんぼそ」の商品化

サーロイン切断面側から厚さ2センチ程度の厚さで「ステーキ用」をカッティングします。
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最後の部分に近づくにつれて、肉質がかたくなるので、最後の部分から7センチ程度になったら「焼肉用」、最後の部分から3センチ程度は「カレー用」にカッティングするとよいです。
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「いちぼ」からの商品化

いちぼは、そともも側の肉厚の部分(A)とサーロイン側の肉厚の薄い部分「クレート(B)」に分割して商品化ができます。
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そともも側の肉厚の部分は、肉質が硬いので薄くスライスして「切り落とし」、ダイス状にカッティングして「シチュー用」にもできます。なお、品質のよいものは「たたき用、焼肉用、しゃぶしゃぶ用」等でもできます。
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サーロイン側の肉厚の薄い部分「クーレット」は、筋繊維の流れに注意して焼肉用の柵どりにして、厚さ5ミリ程度の「焼肉用」でも商品化できます。

また、ひとくち状のダイスにカッティングし「サイコロ」ステーキとして、またスライスして「しゃぶしゃぶ用」に商品化ができます。

なお、品質のよいものは、「ステーキ用」としても利用できます。

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ランプからつくるステーキ(海外編)

表面のすじ、脂肪をトリミング。
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メガネを取り外します。
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ランジリをカットして、形を整えます。
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余分な脂肪を除去します。
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脂肪面の汚れを除去し、8ミリアンダーに整形します。
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ファミリーステーキ

整形後のランプ。
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ランジリと平行に厚さ3センチでフルカットすると、2~3人分のステーキになります。
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ファミリーステーキ。
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ミニステーキ

ファミリーステーキをとった後、ランプとイチボの境目にナイフを入れます。
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すじに沿って分割します。
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1=ランプ、2=イチボ。
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ランプは繊維と平行に3分割します。
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それぞれを厚さ2cmでカッティングするとミニステーキができます。
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ミニステーキ。
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まとめ

「らんいち」部位はサーロインから続くおしりのあたりの部位です。

脂肪が少なく、風味、やわらかさでは、ヒレ、サーロインに次ぐ上質な部位です。

もも系のなかでも一番おいしく食べられる肉質をもっているので、歩留まり重視のスライスではなく、肉本来の味を楽しめるステーキが非常によいです。

ただし、肉質や品種によっては、ミニステーキやサイコロステーキなどの名称、柔らかくすることの工夫も必要です。

また、希少価値の高い部位であるネクタイも淡白な味わいながらもお店によっては、焼肉用としてだされています。

Mマート市場においては、様々な品種のランイチを取り扱っています。

和牛、交雑、ホルスタインの3品種を基に仕入れの調整を行いながら、選択した方がよいでしょう。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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