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今回は、「すね」部位についてのご紹介です。

煮込み用として使われるすねに希少部位の焼肉用があります

エムマート(畜産市場)でも比較的に安く入手しやすいこの「すね」という部位には、希少価値の高い部位としても使われる部位があります。マニアの間でもあまり知らていないような部位ですが、この希少価値の高い部位をほぼ提供されているお店もあまりなのではないでしょうか。

また、「すね」部位にはすじが多く入り込んでいますので、特に煮込み用としても使われますが、和牛ではすじ煮込みカレーとしても使われ、ホルスタインにおいてもその味が色濃くでるため非常に重宝される部位となっています。

ちなみに、前肢のものを「まえすね」、後肢のものを「ともずね」と言います。特質は、両者共にほぼ同一ですが、スープストックを取るには「ともずね」の方が良いとされています。

運動量の多い部位ですから肉のきめは粗く、肉質は硬いところです。また、筋膜、腱なども多く介在していますが、エキス分やゼラチン質に富んでいます。そのため、レストンなどでは、骨付きの状態のまま煮込みます。肉はほとんど赤身ですから、ひき肉や煮込み用にむしろ貴重な部位として高く評価されています。

「まえすね」にある「たわら」部位(まくらともよばれています)は、品質によっては焼肉用として使われる事があり、大変希少な部位として食感と濃いめの味わいのある味が楽しめます。

今回は、その「すね(まえすね・ともずね)」の整形・すじ引きや小割から商品化の一例について記載していきます。




ともずね部位のすじ引き

ともずねのすじ引きのポイントとしては、細長く肉に食い込んでいるすじは、すじに沿ってめくり、すじを取り除きます。

細長い小さな骨化したものもありますので特に見逃さないように取り除かなければなりません。

すね1

すねを2分割します

  • Aの真ん中のすじに沿って分割します。
  • ともずね(Aの部分)の内側のすじ引きと内側の骨肌、すじ、血管を除きます。

すね2

ともずね外側のすじを引きます。

すじの上に脂肪がついているときは、まず脂肪を取り除き、すじを引きます。

すね3

なかのすじを取り除きます。

太いすじに沿ってめくりすじを出して取り除きます。

※この部位を肉じゃがなどの切り落とし材として使用するときは、なかのすじまで取り除く必要があります。スープやシチューでは必要ではありません。

ともずね4

ともずね内側のすじを引きます。(Bの部分)

  • 内側の薄いすじ、脂肪を取り除きます。
  • なかすじを引きます。太いすじに沿ってめくり(肉はすじに付いていないのでめくりやすいです)、太いすじを取り除きます。

ともずね5

すね側のすじを引きます

  • すじの上の脂肪を取り除きます。左右にナイフを入れ先端をめくり、膜を脂肪と一緒に手ではがします。脂肪ののりがなく膜だけが薄いときは、すじと一緒に引きます。
  • 外側のすじを引きます。

ともずね6

ともずね部位の商品づくり

  • ポイントとしては、すね肉は、硬いからひき肉やシチュー、スープ用にしか商品づくりできないものと思っている人は多いのではないかと思いますが、品種や肉質によっては、Aの部分を丁寧にすじを取り除いて、ばら肉と合わせて切り落とし用にも可能です。
  • このAの部分だと、たたきにもできる場合があり、手切りや厚切りでは硬いので、スライサーで薄く切り他の部位と合わせると良いです。

ともずね7

ともずね8

まえずね部位の分割とすじ引き

ポイントとしては、まえずね部位のすじだけは、外側より見えるところのすじだけ引きます。

まえずねを4つに分割します

まずたわら側のすじに沿って分割します。すじ間に沿ってそれぞれ分割します。

まえすね1

外側のすじを引きます

外側に脂肪がついていたら先に取り除きます。

※すね肉は、まわりのすじを引くだけでよいです。

まえすね2

内側のすじを引きます

両側の太いすじは、特に、えぐるようにきれいに取り除きます。
まえすね3

まえすね4

まえずね部位の商品づくり

  • まえずね部位は、ともずねに比べ硬めなので商品化がしにくい。ほとんどがひき肉用に用いります。
  • スープにもよいので、濁りのない澄んだきれいなスープができます。すね肉のシチューだと肉の中にスープがしみない(肉とソースが馴染まない)ため、シチュー用にはおすすめできない。

まえすね6

ひき肉用の商品づくり

ひき肉を見栄えよく商品づくりするには、よく冷やしてからにします。赤身色がよくでるからです。冷やし方が足らないと、白っぽい色になって色あいが悪くなります。

ひき肉
ひき肉

たわら部位の小割と整形

切り口一か所だけで、他は決してキズをつけないですじをすべて取り除きます。

たわら部位裏側からすじに沿ってめくり、すじを引くと三層のすじがあります。切り口裏側一か所からだけできれいにたわら部位のすじを取り除くことができます。

たわら部位を取り除きます

  • 点線に沿ってすね部位と、たわら側部位を分割します。
  • 境目に沿って、かぶりとたわら部位を分割します。

まえすね8

裏側表面のすじを引きます

中に食い込んでいるすじには手をつけない。表面のすじだけを引きます。

まえすね9

まえすね10

横に食い込んでいるすじに沿ってすじを引きます

  • 横のすじを開き、すじを出し、上方からすじを引くと、断面図のように、真ん中のくぼみのところより、さらに奥に1本のすじが食い込んでいます。
  • 奥に食い込んでいるすじを出します。
  • ナイフを逆手に持ち、下方手前よりすじを引き、横のすじを取り除きます。

まえすね11

すじに沿ってめくり、すじを出し、一枚目のすじを引きます

  • すじに沿ってめくり、すじが大きく出たら一枚目のすじを引きます。
  • 一枚目のすじに沿ってめくりすじをだし、二枚目のすじを引きます。

まえすね12

二枚目のすじを取り除きます

二枚目のすじを取り除くと、その下にさらに下方に小さいすじがあります。それに向かって同じ要領ですじをめくり三枚目のすじを取り除きます。以上終了です。

まえすね13

たわら部位の整形後
まえすね14

たわら部位の焼肉用
たわら部位の焼肉用
たわら部位の厚切り焼材
たわら部位の厚切り焼材



まとめ

今回は、「すね」部位の小割とすじ引きや商品化について記載していきましたが、非常に細かい作業となります。

現在ではここまでの作業をするところは少ないのではないかと思いますが、牛を知れば知るほど多くの商品につながります。

また、基本的な部分ではありますが、まだまだ多くの商品化がありますので、一つ探求してみてはいかがでしょうか。

エムマート市場では、あまり掲載がない「すね」部位ですが、料理の多様性や値段においても非常に使いやすく、市場に出づらい部分があります。

和牛や交雑、ホルスタインと品種を変えただけでも味が非常に味が変わりますので、特色ある部位としてもうかがえます。