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和牛の取り扱いには特に留意すべき点とは「温度管理」にあります。

牛肉においてはどのような品種でもあってもそのようなことになりますが、何故和牛には温度管理が必要なのかといいますと、「脂の融点」にあります。

和牛の中で最も融点が低い温度は17℃とされ、触るだけで溶け出すものもあります。

では、ホルスタインサーロインについてどうでしょうか。

今回は、飲食店やホテルにおいてホルスタインを扱う上で注意すべき点についてご紹介していきます。

ホルスタインのサーロインには、和牛とは違い取り扱いに留意しておかなければならない点がある。

和牛(肉専用)とは違いホルスタイン(乳用種)は、違うものになります。これらには何に影響しいるのか?

また、肉質に対してどのように影響してしまうのか?また、冷凍や冷蔵(チルドとフローズン)においての取り扱い、熟成が必要なのか?など、これらによってサーロインにどのように影響をおよぼしていくのかを記載していきます。

ホルスタインの魅力といえば、赤身肉であることから脂が少ないためヘルシーなイメージやなんといっても和牛などに比べ安い肉としても非常に重宝するものです。

価格帯は、国産でもあるにもかかわらず輸入牛とあまり値段が変わらず、和牛の価格の3分の1で購入できる場合があります。

また、デメリットとしては、「硬い」、「肉の味が薄い」、これまで和牛や交雑牛ばかり使われた方にとっては、あまりの肉の色の濃さや肉厚の薄さで疑問点が残るのではないでしょうか。

但し、うまく工夫していくことにより、このデメリットは改善することも可能です。牛肉本来の取り扱いさえ間違いなければ非常に大きな利益を生む効果があるのがこのホルスタインです。

2016年の現在において、牛肉の価格が高騰する中で、全国で有名な弁当を取り扱うお店や焼肉店でもこのホルスタインの活用が著しく多くなりました。安心できる国産を求め安価なものを選ぶ時にたどり着くのがホルスタインとなっています。




ホルスタインのサーロインは、和牛とどのように品質の違いがあるのか

全国で90%以上使われている和牛と言えば「黒毛和種」になります。品質、味において世界で知られているほど有名な肉専用になります。

昔からの在来種に改良が加えられた牛は、体格が短く、足が短い、地域によってはお尻が張っているものや、肩や腕が大きいものがあります。

雄になると体重も一トンを超えるものがあり、あまりの大きさにスライサーに入らないものがあったりもします。

ここ10年(2015年から)くらいの生産の傾向において生産頭数の減少から1頭の体重を増やす傾向があり、ステーキに使われるような部位においては、肉の盤面が大きくなっています。

しかし、ホルスタインにおいては、乳用種のため1頭において牛乳の搾れる量を増やす傾向にあり、体格が和牛と比べ長く、足が長いものになります。

また、与えられる飼料が違うため、それが肉質にも影響されます。放牧して運動もしますので、肉質が硬くなります。ビタミンの欠乏により肉色にも影響することから和牛と比べ肉色が違います。

この和牛とホルスタインの飼育段階の違いや品種の違いで硬さ、肉色、艶に違いがあり、体格(体長)が違うためサーロインの厚さが和牛と比べ非常に薄くなる傾向になり、サーロインステーキなどの盤面が違います。

ホルスタインのサーロイン
ホルスタインのサーロイン
和牛サーロイン
和牛サーロイン(右側)

ですから、ホルスタインを取り扱う時には、部位の用途は異なってきます。例えばこれまでサーロインをステーキとして扱ってきたお店において、ホルスタインのサーロインを扱う時は、ミニステーキやサイコロステーキとして扱う必要になります。サーロインをステーキとして提供したい場合は、部位の重量が4kg以上でないと難しいものになります。
2kg台になるとロールステーキやサイコロステーキに使うと良いでしょう。

要は、1部位において着目していかなければならないのは、重量となってきます。

「硬い」、「味」においてどのようにすれば改善できるのか?

ホルスタインは、牛乳がとれなくなると和牛のように穀物飼育したりするなど、急激に太らして飼育されるところが多くなりました。

牛や豚などの取引基準が重量になってくるからです。(キロいくらとなる)これらによってホルスタインも脂肪交雑が入ったり、脂がのっていたりします。食肉の格付けにおいてもC1やC2などもつけられるようになってきています。

ただ、飼養目的に違いがあるため和牛に劣るものの味わいなどが出るようになってきています。

また、ウデ(かた)部位が、ダシにおいてよく味がでるといって、肉うどん、肉そばにもよく使われるようにもなりましたし、中にはウデの前腕骨を使ってラーメンのダシにも使われるようにもなりました。

また、より手軽に味わいを引き出したいとの事から「熟成」するところも増えました。熟成期間においては、屠畜日から5日ほどの目安で味が出やすいとの声もあります。

ちょっとした工夫ですが、飼育方法の変化や取り扱いによって「硬さ」や「味わい」が変わるようにもなってきています。

これまでの常識だけでなく、牛肉について学ぶ必要になってきた近年ですが、取り扱いさえ正しく行えば良い肉とは言えるのではないでしょうか。

冷凍と冷蔵においても解凍方法を抑えておくべき

牛肉において最もよく間違いがおきるのは解凍方法です。牛肉を焼く、調理する場合において最大にカギになるのが「肉芯温度」です。

焼き方においては、レアなどの決める基準においても肉芯温度が関わりますが、解凍においてもいかに品質を保持していくかにも「肉芯温度」が関わってきます。

解凍方法においては、瞬間解凍と緩慢解凍の2種類があります。この瞬間解凍がもっともドリップがでにくく、品質が維持しやすいとの傾向があるようですが、これにおいては、高価な解凍用の機械が必要になってきます。

一般的な解凍方法においては、緩慢解凍になってきますが、この緩慢解凍の方法によって、もともとあった牛肉の水分をうまく閉じ込める方法が、冷蔵庫内の温度でゆっくりもどすことです。

冷水や常温(外に出すと)で解凍すると急激に温度を戻すとドリップの流出がいちじるしくひどいものとなります。また、冷凍期間中は、熟成が止まっていますので冷蔵庫内でゆっくり解凍すると熟成も始まってきます。

チルドにおいても同様ですが、冷蔵庫内で保管し、調理する30分前にだしておき肉芯温度をゆっくり引き上げると良いでしょう。




まとめ

ホルスタインサーロインを使用するうえで留意すべき点は、和牛と比べ飼養方法や品種の違いから肉色、肉質、艶が違い、品種の違いから体格が違うため、和牛のサーロインと比べ盤面が薄くなる傾向があります。これらによって部位の調理用途も異なることがあり、硬さや味に関しては、熟成などの工夫が必要です。

また、冷凍などを扱う際には、肉芯温度の関係からドリップ流出を防ぐため解凍方法には注意が必要であることです。また、ドリップには、肉の旨味成分などが含みますのでなるべくドリップを出さないことが必要不可欠となってきます。