ホルスタインサーロインでステーキを作る方法とは?

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ホルスタインは赤身肉であり、硬い傾向の肉質が特徴です。

サーロインといえばステーキとあるような固定観念が、購入時の最大の失敗の原因になります。

牛の品種によって可能なものとそうでないものがあり、品種と部位の特徴をしっかり抑えることにあります。

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目次

ホルスタインサーロインでステーキするには肉質を知る必要があります!

ホルスタインサーロインでステーキを作るには、和牛と比べ肉厚、品質(硬さ、色、味)が違いがあり、この特徴をしっかり抑えておかなければステーキにすることは難しいと思います。

それぞれの違いをすぐさま判断するには、画像を見ていただく必要があります。

和牛サーロイン

和牛サーロイン

画像は、和牛のサーロインとなりますが、高級部位・高級肉ですので、その肉厚はかなりの厚さになります。

この厚さはステーキの顔といもいうべき所で厚さ自体=盤面となります。

この盤面が小さい(薄い)と見た目の印象にかかわってくる部分になります。

色合いに関してきれいな鮮紅色となり、脂肪交雑(サシ)が入り、見た目が非常に美しくなります。

味においても脂肪の味わいも重なり肉の味が一層引き立てるものになります。

全体の割合から肉の部分が40%のものがおいしいとされ、加熱していくと脂が豊かな香気を発し、より食欲を掻き立てます。

 

では、ホルスタインサーロインをみますと。

ホルスタインのサーロイン

ホルスタインのサーロイン

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肉厚が急激に薄くなります。

これは、もともとの品種の違いから体格に影響している結果となりますが、ホルスタインは和牛よりも足が長く、体長が長いためサーロイン自体が薄く長いことになります。

また、色合いにおいては、赤身が濃く、脂肪交雑がない状態であり、赤身肉となります。

ホルスタインによっては脂肪に黄色がかってきます。

肉質自体も硬いものになります。

硬いからといってきめの細かいサーロインを煮込みますと余計に締まっていく傾向にあり、硬くなってきますので注意が必要です。

このホルスタインサーロインは、和牛と比べ大きな違いがあり、また、交雑種においてはこの中間になってきます。

これらを抑えておかなければホルスタインをうまく活用することが難しいものになります。

ただし、ホルスタインは、脂肪が苦手な方や健康的な赤身肉の割合が大きく様々なメリットがありますのでそれらを最大限にいかすことによってステーキなどの用途にも活用できます。

 

ただし、硬さや味に関してどのように改善すればよいのかというと、熟成期間やカット方法、テンダーライザーや肉叩きなどの調理器具を使うことや味付けの仕方などの工夫が必要になってきます。

 

 

ホルスタインサーロインをステーキにするポイント・重量

先の記述で、ホルスタインサーロインと和牛のサーロインの違いについて明確に理解できたかと思います。

では、このホルスタインのサーロインにおいてステーキにするにはどのようにすれば良いのか?ここでおさえておきたいところが重量になってきます。

ホルスタインは、体長が長いとの特性からサーロインが薄く、盤面自体が小さくなってしまいます。そこで重要になってくるのが、重さになります。

ホルスタイン自体のサーロインは、小さいものでは、2kg~10kg程度と幅広くなってきます。

では、どれくらいの重量でステーキとして問題なく盤面が得られるのは、約5kg以上になってからです。

品物にもよりますが、5kg未満になってきますと盤面が小さく印象としてはよくありません。

ステーキなどの用途を扱う場合は、必ず重量を抑えておくが必要になってきます。

では、4kgほどでも不可能なのかと思われがちですが、品物によっては可能なものがあります。

また、ミニステーキやカット方法の工夫次第で可能になるものがあります。

ホルスタインサーロイン肉

ホルスタインサーロイン肉のステーキ



ホルスタインサーロインからステーキを作る方法(すじ引き・小割編)

サーロインからステーキを作るための代表的な方法を紹介していきます。

サーロインからステーキを作るには、すじを引いたり、骨肌や整形することが必要ですが、どの部位から比べても歩留りがよく、作業時間もあまりとられないのが特徴になります。

極端に申しますと、技術があまり必要なく誰もができるのではないかと思います。

サーロインの整形・すじ引き

脂が面している部分を表とすると裏面からの作業となります。

まず、ゲタ山(肋間筋)、骨肌、見えているすじを除去していきます。また、背骨側の部分に面している部分は、骨肌がありますので除去していきます。

ホルスタインサーロイン上部

筋引き完了したサーロイン

表面に戻して、背骨側から約5cm~7cmほどの脂をすべて除去します。これは、下に潜り込んでいるスジを除去するには、脂があると取りづらくなるためです。
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次に除去した脂肪の下にあるスジを引いていきます。すじの引き方のポイントは、すじを掴む箇所をしっかりつくり、すじをきちんと引っ張ってあげることが重要になります。

すじの張り方が不十分な状態ですじを引くと、筋が切れたり肉そのものにナイフキズができてしまうためです。肉の傷めやすくなるのは、酸化がカギとなってきますので空気が触れた分だけ変質が始まりますので注意が必要です。
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最後に表面の脂肪整形して終了となります。脂肪の厚さには10ミリアンダー、5ミリアンダー、3ミリアンダーがあります。

脂肪の付け具合で味や香りが変わってきますので、留意しておかなければなりません。

また、5ミリアンダーになってくると肉の色合いがうっすら見えてきますので目安になるかと思います。

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ステーキカットする場合には、リブ側からカットしていきます。

これは、もも側は端材になるため(サーロインはもも側に向かってより厚みがなくなるため)、もも側からカットすると盤面の綺麗なリブ側が端材になってしまうためです。

カットの厚さは、好みになりますが、必ず繊維に対してなるべく直角にカットすることが大切です。
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まとめ

今回は、ホルスタインサーロインでステーキを作る方法でしたが、ステーキをカットした後などは、必ず試食することが最も重要な事ではないかと思います。

カットの厚さでどのように味わいや硬さが変化するのか、それを比べるためにも食べてみる事が大切です。

味わいは、厚さにも関係してきますし、自分が体験してもないものを人に勧めることなどできません。

また、信憑性にも影響します。ですから様々な工夫をしながら試食を重ねていくところに良い商品ができるのではないかと思います。是非とも挑戦してみてください。

 

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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