牛肉を生で食べると危険?生食が禁止されている理由とは?

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食品の中で食中毒でマスコミなどよく取り上げられるようになってきた牛肉。

ユッケ」が食べられない状況になって数年の月日が流れました。しかし、何故生食が食べられなくなったのでしょうか?

今回は、牛肉の生食が禁止されている理由について触れていきたいと思います。

この記事を読むとわかること

  • 牛肉を生で食べる危険性とは?
  • 食中毒の原因とは?
  • 食中毒にならない予防法とは?


についてご紹介していきます。

目次

牛肉を生で食べるのは何故危険なの?その原因と予防を解説

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牛の屠畜段階においては、筋肉は無菌状態です。

ですが、何故私たちの生活の中で絶え間なく食中毒事件など起こるのでしょうか?

そこには原因を知り、予防することがもっとも大切です。

私たちが牛肉を食する上で、様々な工程が行われています。

屠畜段階においては、無菌状態であっても時間の経過、酸素や人などに触れる事により菌は付着し、増殖していきます。

また、世の中のの種類だけでも5000種を超えるともいわれています。

そのような中で安全かつ安心して食することがもっとも大切となってきました。

その安全策の代表的なものは、調理や食事をする前にきちんと手を洗い、牛肉をきちんと加熱することがポイントです。

今回は食中毒の原因を知り、予防をしていく方法についても記載していきます。

基本的な予防法になります!



食中毒の予防とは?

 

食中毒とは?

飲食物に食中毒を起こす細菌やウィルスが付着したり、増殖をしたり、有害・有毒な化学物質等を含んだり、容器包装を通して有害・有毒な物質が混入した食品を食べることで健康に害を及ぼすことを言います。

主な症状は、下痢や嘔吐や発熱などです。

私たちのまわりは、ほとんど細菌の棲家(すみか)となっています。

食品に付着したばい菌は肉眼では見えません。

食中毒の原因菌が発病菌量まで増殖しても、味、臭い、色にほとんど変化がないために、私たちの五感ではその危険性は見分けることはできません。

細菌による食中毒を予防するには三大原則を守ることです。

食中毒予防三大原則

  • 菌を付けない(清潔)
  • 菌を増やさない(迅速、冷却、乾燥)
  • 菌を殺す(加熱)

清潔感を保つことが重要(菌をつけない)

調理器具は十分洗浄し、清潔に取り扱いするには、一般的に魚介類・肉類用の調理器具と、野菜など用の器具を分けることが効果的です。

とくにまな板は一般家庭の調理においても複数準備することは困難の場合、まな板の両面を使い分けるだけでも効果的です。

野菜などの食材の加工を先に行い、肉類は最後に切るように心がけるのも予防につながります。

菌の増殖を防ぐ(迅速・冷却・乾燥)

食材を冷蔵・冷凍することは、原因菌の増殖を抑えるのに効果的です。

しかし、いずれも菌が不活化(死滅)するわけではないことに十分に注意しなければなりません。

加工済みの食品と肉、魚、野菜の保管場所を一緒にしてはいけません。

お互い汚染の原因になることもあります。

また、食材を大量に詰めすぎず7割以下にとどめるのが、冷蔵庫の正しい使い方です。

食材を完全に乾燥させることはできないので調理器具を洗浄した後、速やかに水分を拭き取り、風通し良いところで吊るすなど工夫し乾かすようにします。

菌を殺す(加熱する)

原因菌を不活化(死滅)させるのに最も効果が高いのは、加熱することです。

75℃以上の環境で1分以上経つとほとんどが死滅します。

ただし、大きな食材の中心部が75℃以上に1分以上ならなくてはなりません。




食中毒の種類と発生とは

食中毒に代表されるものを大別すると細菌性食中毒・ウィルス食中毒・感染症による食中毒・自然毒食中毒・化学性食中毒に分けられます。

ウィルス食中毒はノロウイルス、感染症食中毒には、チフス菌、赤痢菌、コレラ菌、腸管内出血性大腸菌O-157があげられ、人の糞便や汚染された水、食べ物が経路となり人が病原巣となります(O-157は別)。

自然毒食中毒は、動物性と植物性に分けられ動物性においては、フグや毒貝。

植物性においては、毒キノコ・トリカブト・朝鮮アサガオ・ジャガイモの芽になります。

化学性食中毒には、殺虫剤・農薬・ヒ素・水銀などになります。

※細菌とウィルスの違いとは?

細菌の感染型とは?

サルモネラ菌・・・患者(感染者)や感染動物により汚染した食品(食肉獣、卵、乳、乳加工品)が感染経路となり、家畜・ペット・ネズミが病原巣となります。

腸炎ビブリオ菌・・・保菌者の糞便、未加熱魚介類、刺身、シラス等が感染経路となり、海辺の土壌・海水に常在菌となり、病原巣となります。

カンピロバクター菌・・・牛・豚・鶏肉、牛乳が感染経路となり、家畜、家きんの常在菌となり、病原巣となります。

エルシニア菌・・・汚染された家畜の肉、飲料水、下水が感染経路となり、家畜・ネズミ・衛生害虫・水が病原巣となります。

細菌の毒素型とは?

黄色ブドウ球菌・・・菌に汚染された食品(おにぎり・すし・おつくり・折詰弁当・加工品)が感染経路となり、皮膚の常在化膿菌・糞便中が病原巣となります。

ボツリヌス菌・・・不適切な処理による発酵食品、いずし類、真空パック食品、ソーセージが感染経路となり、土壌、動物の糞便などが病原巣となります。

ウェルシュ菌・・・学校給食、料理の作り置きなど保冷、解凍に乗じてが感染経路となり、土壌、水、動物の糞便などが病原巣となります。

セレウス菌・・・汚染された食品(米、野菜、肉類)が感染経路となり、土壌、動物の糞便が病原巣となります。



牛肉の生で知っておきたい対処法とは

牛肉は屠畜段階までの筋肉組織においては菌がいません。

ですが、大元にはいないにもかかわらず菌がついているのは外的要因があるからです。

人が持っているもの、設備などにもともと付着しているものが肉に付き、菌が増殖しています。

菌が増殖する要因とは、酸素、水分、養分、PH値のいずれかによって増殖し、増殖が一定数を超えると人体影響を及ぼします。

しかし、人体に影響する菌といっても一部の菌によってになります。

前述にも合った通りに、菌を付けない、増やさない、殺すということが大切になります。

ただし、これらがあったとしても現実的に菌を完全に0にすることは難しいものです。

なぜなら、人が触れるものですし、酸素もあります。

例えば、冷蔵庫で保管をしていても低い温度で活性する菌もいることから増殖の要因がわかっていても難しいのです。

では、どのようにしたら対策をしたらよいのか、ご紹介していきます。

牛肉の生肉を食べる前におさえておくべきこと

牛肉を触る前にすべきことは、必ず手洗いをして乾燥したタオルやペーパーなどで水分を拭いさることが大切です。

また、アルコールを手に吹きかけることや使用する器具についてもアルコールを使うべきです。

アルコールにはさまざまな商品がありますが、販売されているアルコールは水とアルコールと希釈されているものがほとんどです。

薬品ではありますので使い方と選び方には注意が必要です。

できればアルコール度数が、68%~70%のものを選んだほうが安全性がよいとされています。

アルコールの使い方は、水分がない状況で使いましょう。

水分があればアルコールが薄まっていきますので本来の効果が発揮できません。

水分をきちんとふき取るか乾燥させることが大切です!

また、ステンレスの材質に付着したものは固着して白い斑点模様ができてしまいますので必ずふき取ることをおすすめします。

しかし、アルコールは完璧に菌をおさえることはできないため、用具においては「次亜塩素酸ナトリウム」を使った消毒も定期的に行うとよいでしょう。

例えばハイターがよく使われます。


次亜塩素酸ナトリウムは扱い方に危険性が伴うため、用法、用量を適切に使うことが大切です。

小さな子供や赤ちゃんがいるご家庭では、専用品が販売されているので使うとよいです。

昔からよく使われている対策としては、煮沸消毒があります。

水を沸騰させて約10分以上煮沸させます。使用したタオルなどに行うとよいですが、きちんと脱水し、乾燥させることが大切です。

牛肉のステーキなど食べるときに使う予防とは

現在では牛肉を焼く前にトリミングをすれば付着した菌は取り除かれて安心だという方がいますが、これは大きな勘違いになります。

前述にも記載しましたが菌が付着する要因は人やモノになりますので、いくら取り払ったとしても扱う人やモノ(包丁などの器具)に菌がいないことはありえません。

また、殺菌や消毒をしたところで外的要因によって付着していることから肉の「トリミング」にはあまり意味がなさないと私は思います。

ですから、適切な予防と対策を行うことで食中毒になる可能性を減らすためには食べる際にも予防が必要です。

生の牛肉を菌から防ぐ調理方法とは

食品衛生の観点から75℃1分や85℃1分で加熱するとよいとされていますが、これは肉料理の上では少し難題になります。

ですから、ステーキを焼く前には低温調理など事前に行うことでこれと同じような役割を果たすことができます。

現在では便利な器具もありますのでチェックしてみてください。


これらの道具はステーキなどの焼く前提ですので、調理によっては難しい場合があります。

また、簡易的方法がありますのでご紹介していきます。

生の牛肉はスパイスなど必ず使うとよい!

お寿司にはわさびを使うって食べる人はかなり多いかと思います。

苦手な方もおられるかもしれませんが、わさびは抗菌作用もかねているからです。無理な人は「ガリ」を食べましょう。

もちろん牛肉にも抗菌作用のあるスパイスがあります。

強い抗菌性があるのはガーリック、クローブ、シナモン、マスタードになります。また、酵母についてはクローブ、シナモン、オールスパイスが効果があるとされています。

抗菌成分としては、オイゲノール、チモール、イソボルネオール、バニリン、サルチルアルデヒド、アリシン、イソチオシアネートがあります。

ちょっと豆知識!

牛肉の劣化を抑える抗酸化作用のある香辛料は、クローブ、タイム、ネギ属、しょうが、こしょう、トウガラシになります。

香辛料を共に調理することや食することによって予防にもつながりますので是非活用してみてください。

牛肉を生で食べてしまった場合はどうする?


ステーキにはミディアム、レア、ウェルダンなどの焼き具合があります。

調理の仕方についての記事はこちら

安い肉でもおいしく味わえる焼き方がある

いずれも肉の中心温度が中心で生焼けの状態からしっかりと中心まで熱を入れて赤い部分が内容にという具合の焼き方があります。

もし、このような焼き方で生焼けで食べてしまった場合やほとんど生といったものを食べてしまって気になる場合は、必ず医師に相談しましょう。

胃もたれと勘違いされやすいかたもいますが、菌が体内で活発に行動し、人間に悪さをするときはだいたい1日~2日たってからといわれています。

抗生剤の薬をもらうと思うのですが、大抵の場合は回復するのですがきちんとした処置と念をおしましょう。

とくに小さいお子様やお年寄りについて抵抗性が低いので早期の対応をおすすめします。




まとめ

食中毒による事件から食品に関わる取り扱いが法規によって大変厳しくなった今、それらに従事する業態の意識の向上によって食品の取り扱いは、細かくなりました。

安心して安全に食するようにとそれぞれの企業などは自主的にマニュアル化し、衛生管理に取り組み実践しています。

それが他者に認定され代表的なものがHACCPなどの取り組みです。

各自治体でも認証制度を設け、他者に正しく衛生管理が実施されているかどうかを認定してもらうことが多くなりました。自社でもそうです。

安心して安全に食するにはこの認定が担保していますので、購入の目安にするのも大切なことではないかと思います。

さて、牛肉を食するには必ず加熱することをおすすめします。

手洗いと加熱が最も大切です!
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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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