牛肉を扱う方々は、様々なかたがおられます。

卸、商社、食品製造業者、ホテル、カラオケ、喫茶、フードサービス、スーパー、居酒屋、焼肉店、弁当屋、レストランや洋食などの事業の行為として扱う方を中心に今回は、牛肉の原価計算について記載していきます。

事業行為(経済行為)をしていく上で必ず必要とする通過点には過ぎませんが、その第一歩として、

  • 何故原価意識を持たなければいけないのか?
  • 牛肉を販売するうえで原価を知りるための基本とは?
  • 基本的な部分から応用編までを記載していきます。

    今回は、基本的な原価意識から最低限抑えておくべき基本的な事を先ず、記載していきます。




    【ちょっとまった!!】牛肉を売るまえに必ず把握するべき特性がある!

    牛肉には、必ずといっていいほど様々な商品があります。とりあえず商品化をしてこれぐらいの値段で提供すれば大丈夫だろうなんて思っていませんか?

    生き物を扱う上では、車などと違って部品を積み上げて商品ができるわけではありません。商品を作るうえで不必要なもの(販売には向かないもの)を削り取っていき、ようやく商品が完成します。

    例えば、牛肉で言えば血合い、血管、脂などがあります。

    事業行為(経済行為)をしていく上で、基本的な目標となる事業としての成長その投資に対する十分な回収が必要です。そこでわかりやすく係数で管理していくために原価意識が必要となるのです。

    先ずは、牛肉においての特性や商品形態について触れて行きたいと思います。

    牛肉の商品形態の変化とは

    最初の工程として「生体(生きた家畜)」を「屠畜」して、「枝肉」になります。このとき、頭、内臓、皮、血液やその他が分解されていきます。

    第2の工程として、「枝肉」を「部分肉加工」して、部分肉になり、このときに骨、脂肪、小肉やその他が枝肉から分解されます。

    第3の工程として、「部分肉」を小売にする時は、「精肉加工」して、「精肉商品」になります。このとき脂肪、筋などが部分肉から分解されます。

    牛肉の流通特性とは

    原価を意識する上での基本となる特性について6つあげていきます。

  • 生体から精肉・加工品として消費されるまで形態が大きく変化します。形態が変化し、付加価値づくり(商品化技術)には、歩留と経費が発生することを常に意識する必要があります。
  • 流通のそれぞれの段階でも商品として取引されます。商品を流通させるため適切な鮮度管理、保管管理の知識がないと多くのロスを発生させます。
  • 相場(市況)の変動が大きいため、季節により部位別の需要が変わり価格変動が大きくなります。枝肉の相場変動そのものと、部位の季節需要による相場の変動により、資金調達や利益計画に影響を与えることになります。
  • 個体ごとの品質格差が大きいため、肉質の差による個体の持つ価値の差が大きい。
  • 商品寿命が細分化されるほど短くなります。酸化や圧力に触れることにより牛肉の賞味期限が短くなります。ナイフを入れるたびに商品が傷みやすくなります。
  • 凍結することによって商品価値が低下します。冷凍・解凍技術の進歩により以前ほど商品価値の低下は少なくなりましたが、解凍時のドリップや肉色の退色速度が早く、風味の減少などにより凍結前の原料肉との評価に差がつくことがあります。
  • 牛肉の原価意識の基本とは

    相場情報

    牛肉の原価を知る上でもっとも基本的なものが、日々の食肉相場(市況)の認識です。

    この相場は、新聞(日本経済新聞など)に掲載され、日々の相場を確認することができます。仕入れを行う上では、月間、年間の相場の判断が求められます。食肉の相場の動向は、家畜飼養頭数、末端消費動向、輸入量、在庫状況、一般経済状況、行事(年末、年始、連休等)等の様々な要因によって変動します。

    原価の構成要素

    原材料費

    仕入れ単価、仕入れ金額を意味するもので、原価の最も基本的なもの。

    歩留り

    求めるものの割合になります。原料の経済性を知る上で基本ではありますが、歩留まりが高ければ原材料の価値が高いかというとそうでない時もあります。

    例えば、脂肪付着の少ない枝肉から産出される部分肉の割合が高く歩留まりの良いものになるが、「しまり」が悪いなど、肉質的には良好なものとはいえない。つまり歩留まりと肉質などの品質のバランスがその価値を決めることになります。

    副産物評価

    例えば、枝肉から部分肉を産出した場合、求める部分肉の加工段階で発生する骨、脂肪、リンパなどが副産物となります。また、枝肉金額は、部分肉金額+副産物金額といえます。その副産物の金額が高くなれば、部分肉の金額が安くなり、原価単価が低くおさえられることになります。したがって、副産物の有効利用に関する知識を持ち、副産物の有利販売に務めることが、全体の利益を上げることにつながります。

    経費

    加工処理に直接係る人件費、資材費、消耗品などの直接費と、営業段階・共通管理に係る間接費にわけられます。牛肉は、他の生鮮食品に比べ加工度が比較的高く経費がかかります。そこで生産性を上げることにより経費を抑えることが重要になりますが、それに合わせてその生産性に伴う販売力も必要になります。

    歩留まり計算とは?

    歩留り(ぶどまり)とは、製造(加工)において「原料の投入量から期待される生産量にたいして、実際に得られた製品生産数(量)比率」のことで、歩留り率は、生産性や効率性の高低で優劣を表します。

    食肉流通特性の一つに商品形態が各工程で変化します。このため、食肉の原価をとらえる場合、基本的な知識として商品形態別の歩留り数値(歩留り)の把握が必要になります。原価計算の第1歩としていえる「歩留原価」(原材料の単価と歩留りから求める商品の原価単価)が産出できないからです。

    この歩留りとは、原料肉に対する商品の割合をいいますが、一般的には約分率で求めます。流通上、商品形態の変化により枝肉、部分肉、精肉、加工段階で発生します。

    歩留りの計算方法

    歩留率(%)=製品生産量÷原料投入量✕100

    ちなみに枝肉の評価でA5とある場合は、この「A」というアルファベットは、歩留りの範囲をあらわしています。




    まとめ

    原価に対する意識は、事業行為を行う上で非常に重要なものになっています。

    どんぶり勘定という言葉はありますが、牛肉が高騰する中で売上が伸びれば良いという考えだけでなく最低限の原価の管理は必要となっています。また、原価計算が見についていくと、店頭にならんでいる牛肉の原価(仕入れ金額)までわかってしまうことがあります。

    個人的にではありますが、参考にさせてもらうことはあります。

    今後は、この原価にたいして係数管理をして販売に役にたつのかなど、細かい計算式などを紹介していきます。