牛肉の専門家が監修『ハラミ』とは何!?ホルモンの真実に迫る!!

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「ホルモン」が好き!!

という人をよく聞きます。

ホルモン屋があるほどですから好きな人が多いのは当たり前の話だと思います。

レバーといえば苦味や臭いが気になるかとおもいます。

私もそのうちの一人ではありますが、和牛のレバーともなると臭いがなく、苦味というよりかめばかむほど甘味が増します。

和牛の屠畜頭数が少ないため中々手に入りにくいものですが、何よりも内臓類は業者間では取り合いになっています。

大きな会社となってくると輸入に頼らざるおえない状況です。

どうしても国産という方もおられ、私のところにもなんとか確保できるようにとよく連絡がくるようになりました。

そんな希少価値の高い牛肉のホルモン。ハラミなどご紹介していきます。

この記事を読むとわかること
  • ホルモンとはなに?
  • 各部位の特徴とは?
  • それぞれの部位の名前の由来や食べ方のご紹介。


をしていくことでホルモンの扱い方がわかるようになります。

是非ともご参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

ホルモンには「精力がつく!」「元気のみなもと!」という意味が隠されている!!


先ず、大切にしておきたいのがどのような意味や由来があってホルモンといわれるようになったのか、その秘密について明かしていきたいと思います。



ホルモンとは!?

ホルモンとはドイツ語で化学物質名です。

とくに性徴などに関係し、いわゆる精力というもにもかかわっています。

畜産の内臓類がホルモンと呼ばれていることについて、その由来は捨てるもの、すなわち「放るもの」からきたとする、まことしやかな説がまかり通っています。

これは間違いではありません。

確かに日本の食肉文化では内臓利用はごく限られたもので、戦後食料難のときですら一般の人はこの食べ方を知りませんでした。

解体処理場では一部は捨てられる対象にもなっていましたが、これを利用する人もちゃんといました。

大阪・難波の洋食屋「北極星」の経営者、北橋茂樹氏が1941年に「ホルモン煮」という商標登録を取っています。

その後、内臓を食べて「元気がでる」「精力がつく」ということで、男性ホルモン、女性ホルモンなどの語が自由に使われる戦後の風潮の中で、ホルモン料理という語が広まっていくのです。

ついでに、北海道地域のホルモンについてふれていきます。

この地域でホルモン焼きとされるのは豚の腸になります。

もともと豚肉をよく利用していたところから、豚の内臓が流通されやすかったからとされ、結構人気のメニューとなっており、食べてもなかなかいけます。

牛に比べれば肉質がうすいので、焼いて噛むとなかなか噛み切りにくい。

その分、ゆっくりとよく噛むことになり、うま味がにじみでてくるのが実感できます。

牛の腸つまりホルモン類を食べたさせる店はあるが、その場合、わざわざ牛のホルモンと断っているくらいホルモンといえば北海道では豚の腸が当たり前になっています。

ハラミとは?

ハラミは牛の横隔膜の部分で、「腹部の身」からハラミといわれます。

適度な脂を含んだやわらかい肉で、うま味もあって、焼肉に適しています。

ロースなどと比べも、味にひけをとらない。また、比較的安価なこともあり人気があります。

調理のポイントは、下ごしらえはもちろんですが、タレと焼き方にあります。

ハラミの特有の味を生かすには、ハラミのもつクセを消すことが大切です。

そのためには、にんにく、コショウ、トウガラシなどのスパイスをたっぷり効かせることです。

ネギ、ワケギ、アサツキなどを加えるのも効果的です。

コチュジャンも、好みで加減するが、入れすぎると、タレが甘くなるので注意する。

焼き方としては、一切れずつ、強火で両面を丁寧に焼くこと。焦がしたり、弱火で焼き過ぎたりしておいしい肉汁を逃さないように気をつけます。

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テッチャンとは?

テッチャンとは韓国語で牛の腸のことで、長いので大腸とよばれています。

この長くて量の多い腸は全部が同じ肉質ではありません。

表面にしわが多数あって肉が厚くやわらかなシマ腸と、直腸、盲腸にわけられます。

多数のしわが縞模様(しまもよう)になっていることが、シマ腸とよばれる由縁のようですが、焼肉としてはこの部位が一番おいしいと言われています。

歯切れのよさといい、脂のノリといい、通好みのメニューです。

大腸全体の中でこの部位の占める量は少ないので希少価値が高い。価格も直腸や盲腸よりもずっと高いものになります。

ときにはテッチャン全体をホルモンとよんで、シマ腸、盲腸を区別しないで扱っているところもあります。

そのようなところは鮮度に難があるとみてよいでしょう。

というのも、鮮度が落ちて肉質が硬く、歯切れが悪くなったテッチャンをホルモンとして一括扱いにする場合が多いからです。

シマ腸のやわらかなおいしさの特徴がでないことを隠すためではないかと思います。




テッチャンのおいしさとは

このテッチャンのおいしさを際でたせているのは腸についている脂です。

そのために材料の仕込みのときに、この脂をどの程度残すかというのが、決めてになってきます。

仕込みでは水洗いをしっかりして、汚れとぬめりを落とすためですが、そのときに脂がこすり取られすぎないようにすることで、テッチャンのおいしい味が演出されることになります。

さらに食べやすくするために、肉には包丁の切れ目が入ることが多い。これはタレを馴染みやすくするために包丁で叩いたものです。また、嚙み切りやすくするためです。

おいしくいただくコツはいうまでもなく焼き過ぎないことです。

焼肉店によっては直火焼きせずに鉄鍋で焼いてだすところがみられる。テッチャンのように柔らかい肉質のものには、この方がよいのではないでしょうか。

今でもブームが去らない「もつ鍋」はまさにこの特徴をいかしたものです。

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「モツ」と「トンチャン」の違いとは?

「モツ」とは日本語で内臓を総じて臓物とよんでいたのを略して「物(モツ)」とよんだところからきています。

韓国語も牛の内臓を牂(ヤン)とよんでいるが、もう一つ「トンチャン」という表現があります。

トンとは糞のこと、チャンは腸で、排泄物のある内臓との意味になります。庶民的なレベルでは内臓を総称してトンチャンとよびならわされています。

在日の朝鮮・韓国人が家庭で焼肉をするときに、内臓を指してトンチャンとよんで、ミノとかセンマイとかと区別することはありませんでした。

何でもトンチャンだった。

やがて外食産業化していく過程で、部位別メニューが成立しているところもあります。その店はかなり古くからの店とみてよいでしょう。

ミノとは?

牛の反すう胃の第一胃袋のヒダをはいだ部分。

胃袋を開いた部分が蓑笠(みのかさ)に似ていることから「ミノ」とつけられた。

この蓑笠という発想は、韓国語の「膾笠(フェカツ)」というよびかたからきている。ときにはただの「笠(カツ)」とよぶこともあり、韓国語のまま「カッ」とよびならわされていたが、やがて「ガツ」に変わってしまいました。

このようにガツとミノは同じものを指していたのだが、現在では「ガツ」は豚の胃袋を指すようになりました。

あっさりとした味と適度な歯ごたえが特徴。とくに新鮮なものは、上ミノの膾(フェ)として生食されることもある。下ごしらえで大切なことは、丁寧に包丁目を入れること。こうすれば、焼いた後もサクサクした歯ごたえが残る。

ギャラとは?

ギャラの歯ざわりと味は、内臓肉のなかでも抜群のものです。

強火で焼くとやや赤茶がかった厚い肉質と、それについている脂がミックスされて絶妙の味となる。

「焼肉はギャラに極めり」という人がいるくらいです。

この肉は一頭の牛から得られる量が少なく、肉には脂がしっかりついている。この脂を少しだけ残すようにして焼くのが美味しくするコツといえます。

牛の反すう胃の4番目であるこの肉は、センマイと異なり、ヒダもなく、色も赤茶がかかっているので、関西ではアカセンとよばれたようです。

関東ではギャラとよばれるが、その呼称の由来は定かではありません。

一説には、日本の敗戦直後に占領軍の米軍キャンプで働いていた人達に正式の給料とは別にボーナスような意味で「労働報酬」にと内臓を支給していたということから、いわゆる「ギャラ」とよびならわされたという話があります。

ハツとは?

ハツとはハート(心臓)のことです。

英語由来の名称になりますが、ハツは通好み?

とも言われています。

このハツ焼きをメニューとして準備している焼肉店はあまり多くはありませんが、焼肉の味を極めた人たちには案外好まれています。

心臓であるハツには、特有のにおいがある。決していやなものではないのだが、正肉とは違って「くせのある匂い」と言えます。

多くの人はこれを気にします。

肉質はやわらかいというほどでもないが、かたいともいえない。むしろこれくらいの硬さと肉質が焼肉には合っているといえるほどです。

ハツの歴史において宮廷料理の焼肉料理としては、レバーはあったがハツはなかった。

しかし、上層階級・庶民の間ではハツは人気のある焼肉材料であったことが『是議全書』(19世紀末)で確認することができます。

この書は上層階級である両班(ヤンバン:管吏を出すことのできる最上級の支配階級。文と武の両班からなる)家の女性が、その家に伝わる料理法を書きとどめたものです。

ハツがロース肉の焼肉法とともに、ちゃんと記録されているのは、材料として焼肉に適していたものと受け止められていたことがわかります。

今でこそ食用牛として育てられた牛肉はやわらかいが、むかし、役牛として使ったあとの牛の肉は硬かった。したがって焼肉にするには、できるだけうすく切らないと食べられませんでした。

今でも焼肉の本場の韓国では、肉がうすくスライスされてだされるところがあるが、その名残りでもあります。適当なかたさが、丁度よい歯ごたえなのです。

まとめ

よく周りから聞くのですが、ホルモンは食感と味が美味しいとの言葉を聞きますが、焼肉の硬い部位(ロース以外)になると硬くてたべられないとの言葉をききます。

少し矛盾しているようですが、お肉やホルモンでもいえるかと思いますが、やはり食感は必要かと思います。

私が以前行った焼肉店では、地域の銘柄牛(ブランド牛)があります。銘柄になるのはA4からA5でないと銘柄でないとするいわゆる高級焼肉店でした。

この焼肉店で早速メニューにあるカルビを注文し、箸でもってみると重力につられ垂れ下がっていました。

個人的は、この瞬間の状態があまりにも残念におもいます。

和牛の格付が上位のものは焼肉は、しまりや鮮度管理によって重力に逆らいきちんと立っています。要は、肉がとけてしまりがない状態でした。

せっかくのしまり(食感)がない状態で食べなくてはいけない。あまり美味しくなさそうと感じます。

やはり美味さを語るうえで硬さも必要なものではないでしょうか。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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