肉の専門家監修!焼肉・カルビの美味しそうと言われる切り方とは!?

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焼肉店や精肉店において必ず牛肉を美味しそうに魅せる、魅了させるポイントがあります。

それは、肉の切り方にあります。

他にもポイントとしてありますが、今回は「切り方について」記載していきます。

和牛などを扱う場合には、色彩(サシと赤身)が豊かとなり美しく美味しそうには見えますが、もも部位などの赤身やかたい部位にとっては非常にうすく切らなければなりません。

ホルスタインなどの安価な牛肉に対してどのように焼肉カットをすればおいしそうに見せられるのか非常に気になることではあります。

  • ナイフ(包丁)がきちんと切れること。
  • 姿勢や動作が正しいこと。
  • 部位の表裏を必ず見るて、繊維の流れを見る。
  • 部位の特徴を知ること(かたい箇所、やわらかい箇所を見分ける)。

当たり前のような話ではありますが、私に指導をして頂いた職人の方々は「ナイフが切れないものを使っている人は、仕事ができない」とよく言われいました。

牛肉を切る前の段階でもありますが、非常に重要なことでもあります。

この記事を読むとわかること

  • 牛肉を切るときの大切なポイントとは?
  • きれいに切るコツとは?
  • 魅せるポイントとは?

についてご紹介していきます。

目次

焼肉の切り方にはおいしそうに見せるという重要なプロセスがあります

おいしさの構成要素には、食べ物がもつ状態や特性、食べる人の状態、環境要因があります。

食べ物のおいしさは、口中で咀嚼(そしゃく)し、嚥下(えんげ)に至る過程で生まれる感覚がベースとなっています。

要は、見て、口中で味わい、のどを通過するまでの間にしか過ぎません。

ですから、見た瞬間微妙だと思ってしまうとおいしさも失いそうになります。

ですから、切り方には細心の注意が必要です。

牛肉のカット例



手切りの切り方とは?

牛肉を切る前には必ず大切なことを抑えておかなければなりません。

それは、道具です。

道具が清潔であり、なおかつ使いやすいことで作業などに支障がでにくいからです。

「正確」「早く」「安全」にが大切です。

いくつか私が使ってよかったものをご紹介していきます。

良いものだと感じれば購入して使ってみるとよいでしょう。

包丁については牛肉のブロックにあわせて使う方が使いやすいです。

和牛や交雑の大きいブロックだと240mm、国産や輸入ですと170mmの包丁でもよいですが、まな板ではなく肉に合わせて使うことが大切です。

ただ、筋引きや疲れにくい包丁を選ぶならなるべく短くしたほうがよいです。

包丁の切れ味を一瞬でもどすのは研ぎ棒です。

牛肉のタンパク質が包丁の切れを悪くさせますが、そこで研ぎ棒が活躍です。

研ぎ棒も使い勝手の良いモノと良くないものがありますので参考にすると良いでしょう。

菌の増殖を抑えるのが「アルコール」。

水とエタノールを配合されたものですが、食品衛生においてはエタノールの純度が68%~70%がよいとされています。

あくまでも菌の増殖を防ぐ役割で滅菌ではありませんので、注意が必要です。

では、基本的な姿勢や動作について記載してきます。また、知っている方でも改めて参考にするとよいです。

手切りの姿勢、動作とは?

肉の手切りには、先ず姿勢と動作が大切です。

  1. 肉を切るときは、棒立ちにならないように、両足を肩幅と同じ幅に広げ、腰を沈めるようにまな板に向かいます。
  2. 左手を(右利きの場合)肉の上に置き、指先は浮かせる感じで、手のひらは付け根で肉を押し(押しすぎないように)、小指と親指で肉が動かないようにもちます。
  3. 右手でナイフを握りしめ、親指はナイフの背を抑えるようにもちます。
  4. それから、中指三本で、切る肉の厚さの間隔をとりながら、肩に力がはいらないようにして、ナイフを中指三本に添えて押し切る。(魚は引いて切りますが、肉はすべて押し切りです)。
  5. 押し切る際は、のこぎりのように何度も切らない。(肉の断面に段差ができるため)

 

部位の表と裏をみる

肉を切る前に、その部位を見てどちらを表にするか決めなければなりません。

表は、鮮度や色艶の良い方にします。

焼肉の切り方

部位にはそれぞれの特徴があります。

やわらかい部位には厚く切り、硬い部位にはうすく切ります。

どの位置が硬いか柔らかいかは自分で食べてみるとよいでしょう。

和牛の柔らかい部位ですと厚さ6ミリ以上はいけますが、硬い部位になりますと2~3ミリと変更する必要があります。

また、中指三本で切る肉の間隔をとって同じ厚さに切ることが大切です。

切ったら肉の裏側にナイフを差し入れて、上方の方を折り曲げ、まっすぐに整えながら盛り付けます。

これは、奥行をだすことによって立体感を出し、ボリュウム感を出すためです。

さんかくばら牛刺し

 

ここで注意しておきたいナイフをの選び方ですが、ナイフの幅があるものは肉が刃にべったりとつきやすく、切りにくいので幅は狭い方がよいと思います。

肉の切り口ですが、断面には段差がないよう肉の角が立っていることが重要です。

また、和牛においては肉の融点(肉の溶ける温度)が低いため人間の手の温度で早めに溶けてしまいます。

ですから素早く作業を行うか、冷蔵庫で肉をしめてから作業を行うとよいです。



焼肉やカルビの切り方の3つのポイント

基本的な切り方について記載していきましたが、次は、より一層美味しく魅せる切り方について記載していきます。

これは、知っている方はおられるかもしれませんが、大切なのはどのようなときにその切り方を使うかになります。

斜め切りの切り方

薄い肉(肉がかたい)の断面を幅広く、見栄えよく切るには斜め切りを使います。

この切り方は、肉の基本的な切り方ですが、ナイフの角度を添え切りの角度にして押し切る方法です。

添え切りの切り方

肉の添え切りは、ナイフを引いて切る方法になります。

これは、肉の断面が小さいので、見栄えをよくし、価値を高めるために断面を大きく切るためと、肉を切り開くときに用います。(くず肉をださいないようにするため)

また、フランク部位のように肉の厚さがないようなものにも使用します。

切り開きかた

この切り開き方は、例えば、いちぼのように片面に脂肪がついているものを開くときは、脂肪の方から開き、片面の脂肪は取り除く。

この方法も断面の小さいものを開くときに断面を大きく見栄えよくするためです。

A:普通の切り方(断面が小さい)
B:添え切り(断面が大きい)

また、最後のギリギリまで焼肉を切りたい場合は、少し厚く切り、その真ん中を最後まで切らず手のひらで軽くたたいて広げます。



まとめ

今回は、美味しく見せる焼肉の切り方について記載していきましたが、前述以外には、色合いや艶の違う部位を混ぜることによって変ります。

和牛の焼肉

  • 切る前は、必ず姿勢を整えること。
  • 使う道具は、衛生的かつ切れるようにすること。
  • お肉の特徴をきちんとおさえる。
  • 切り方の方法を覚える。
  • 仕上がりは美しく、立体的に。

基本的な事を姿勢や動作、特徴などをおさえながら、切り方の目的を抑えることによって各段と見栄えがよくなります。

おいしさとは先ず、見た目からでもありますので参考にしていただければと思います。

 

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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