牛肉の中でも【上質】な味わいの肩ロースを徹底解説!!

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牛肉の中でもあっさりした味わいでありながら奥深い味わいをもっているのが「肩ロース」。

部位の中でも最も大きい部類の部位になりますが、焼肉店においてもこの「肩ロース」を焼肉用としてうまく活用されているところあります。

ただ、主だった料理用途は、スライスにして「すき焼き用」、「しゃぶしゃぶ用」として使われることが多いです。

肉の味わいが濃いめだからこそ、この用途が中心になるのではないでしょうか。

この記事を読むとわかること

  • 肩ロースの特徴を解説!
  • 特徴からわかる肩ロースのおいしいところを発見!
  • 問屋さんならではの知識が満載!

今回は、そのような「肩ロース」の整形のポイントをおさえながらどのような部分が、焼肉やステーキに使われているのか解説していきます。

目次

「肩ロース」の焼肉やステーキにはリブ側を活用するとよい!

「肩ロース」は、関東名では「かたロース」、関西名では「くらした」とよばれ、英名では「チャックロール」と呼んでいます。

英名では、ロース芯を「ロール」と呼んでいます。

「かたロース」の特徴

「かたロース」部位は、牛肉の部分肉の中でも最も大きな部位にあたります。

大きいものでは20kgを越えるものもあります。

「かたロース」は、同じ部位でも部分によって肉質や柔らかさ、風味がことなります。

リブ側は、リブロースと同じ最上質の肉です。

真ん中のくらした部分は赤身肉で断面も大きく霜降りも入りやすく見栄えがよいです。

しかし、肉質は硬め(ネック側に近いほど肉は硬くなる)、味もロースに比べると若干劣ります。

ネック部分になるとすね部位のように硬くなります。

すじ引きと整形

「かたロース」部位は、抜骨後の骨はだや小骨が多いため、これらは口に入れるわけにいきませんので、取り除く必要があります。ネックは特に多いため注意する。

肉の厚い部分だが脂肪は薄目につけます。



内側のかたロース上面の骨はだ、スジを全部とりのぞきます

 

肩ロース部位

左側は、リブ側。右側は、ネック

 

抜骨後の骨はだや、骨と骨との間のスジを取り除きます。

ナイフは刃先からあご(手元)の端まで全部使って手早く、確実に引き上げていく。

けんびきすじ(背筋・鬼すじ)を取り除きます

  • けんびきすじ(黄靭帯)に沿って上側、下側にナイフを入れる。(深くめくらないこと)
  • ネックの方よりけんびきすじをめくりあげ一気にはぎ取る。
  • そぎ取ったあとの、下側の硬いすじやかたこぶのまわり丁寧に取り除きます。

ネックの骨はだ、小骨、すじを取り除きます

  • まず、図のように1骨ごとに、細くつながっている血管、脂肪、すじ、骨はだを同時にとれるだけ一度に取り除きます。(これで7割くらいとれる)
  • 残りの骨はだ、小骨は捌きナイフで丁寧に取り除きます。

ネックの先端の薄い膜、汚れ、乾燥、変色、脂肪を取り除きます

ネックの先端は早く変色したり乾燥しやすい。

これは丁寧に表面だけ薄く取り除きます。

ばらあし上面のすじを引きます

  • ばらあし上面のすじ(膜)を脂肪と一緒に引きます。(脂肪が多いときは、まず脂肪だけを取り除き、その後すじを引きます)
  • このとき、かたロースの山の上面の軟骨を一緒に取り除きます。

ばらあしくぼみの骨はだ、小骨を取り除く

小骨の確認は必ず必要です。

ネック外側のすじ、汚れ、印、乾燥、血管を全部取り除きます

  • すじの引きやすいように、凹凸のところは手で平らになるようになでる。
  • ここに太い血管があるから取り除きます。
  • 太い血管に沿って、細長くついている脂肪は取り除きます。

ネック部のすじを引きます

ネックの外側の平らな面のすじ(すじというより膜)は、薄いが硬いので取り除きます。

その下薄い脂肪は残すこと。

かたロースの脂肪を取り除きます

捌きナイフを使って肉をめくり上げ、脂肪を取り除きます。脂肪は5ミリ位かたロースに付けて残すようにする。

はご板の軟骨を取り除きます

捌きナイフを使うと取り除きやすいです。

かたロースのスジをひきます

  • はご板の骨はだ、すじをつづけて引きます。
  • 脂肪の多いものは1ミリ位残し、余分な脂肪は取り除きます。

はご板とは肩甲骨のことを言います。牛を捌く人ならよく使う言葉です(肩甲骨が羽子板に似ていることから)




くらした部位の小割とすじ引き

 

くらした部分も小割前に内側、外側のまわりはすべてすじを引いてから小割します。

こうすると、作業しやすく効率もよいです。

1部位しか使わないときは、まわりのすじを引かずに分割し、必要な部分だけを小割りし、すじを引きます。

ネック端を切り離します

・点線よりネックを切り離します。切り離す目安は、第一肋骨(バラ骨)のネック側です。

くらした部位とかたロース部位を切り離します

かたロース芯をはがしとるようにして、左手で持ち上げ、くらした部位とかたロース部位を分割します。

バラ足を切ります

ロース芯より2センチ位のところにナイフを入れます。

下側のくらしたは切らないように、バラ足だけを切ります。

くらしたのすじを引きます

脂肪の厚い部分は適度に削りとり、すじを引きます。くらしたの肉厚部分は脂肪をほとんど取り除き、すじを引きます。他は薄目に脂肪をつけて仕上げる。

くらしたの脂肪部分を切り離し分割します。

  • かたこぶを切り離します。
  • 脂肪の多い部分と赤身を切り離します。

かたロース部位上側

英名がチャックアイ・ログになります。

特徴としては、かたロース部位は、リブロースの延長の部位になります。

したがってリブロース側はリブロースと同格のよい肉質になります。

しかし、ネック側に行くにしたがって肉質は落ちます。

柔らかさも、ネック側はやや柔らかめの赤身肉です。

このように同じ部位でも異なった肉質です。


主にステーキや焼肉用に使われます。

希少部位!くらした部位の特徴とは?

関東名では「ざぶとん」、関西名では「くらした」とよばれ、英名では「チャック・フラット」と呼ばれています。

特徴としては、赤身肉で肉も厚く、断面も適度にあり、サシも入りやすい部位なので見栄えも最高です。

ただ、風味はリブロースやサーロインに比べてやや劣ります。

肉の目が一定でないことで、やや硬めが難点です。

焼肉用に使われることが多いです。

かたこぶ部位

特徴としては、細長い赤身肉です。

サシも入りやすい部分ですが肉質は硬い部位になるため、切り落とし用として使われます。

かたロースかぶり

この部分は、サシが入りやすく見栄えもよいですが、肉が薄いのがほとんどです。

肉厚のものは焼肉用ですが、味わいからシチュー用として使われることが多いです。

肉質が硬めのため厚切りには向いていません。




まとめ

今回は、「かたロース」部位を徹底解説しましたが、いかがだったでしょうか。

紹介した割り方などは、あくまでも一例にはすぎませんし、用途も限られたものではありません。

まずは、割ってみて、食べてみてどのように自分が感じたかによって使い方が違います。

大切なのは、「知る」ことが大切だと思います。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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