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和牛のA5ランクとは最高級品なのか?

約 6 分
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格付けの最高ランクがA5なので、世の中に出回っているA5は最高級品なのだ。このような声がよく耳にすることがあります。

果たしてこれは、正しいのか疑問点があります。

牛肉のA5は最高級品!?

実は、そもそも格付けが存在しているのは、円滑な流通の促進と公正取引の推進のためであって、高級品か粗悪品かを決めるための目的ではない。

個人的な話になりますが、今日は、我が家で和牛で焼き肉する際には、A3番とかA2番の商品を選びます。

正直なところ、年齢的なものなのか、あっさりとしたものが食べたい時A5番だと、サシが強すぎて脂がお腹に残るので、A2~A3を選ぶ事が多いです。あくまでもA5が悪いのではなく、個人的な好みです。

要は、自分にあったものを選ぶなど、選定基準の判断材料のうちの一つが格付けなのです。

また、Aは一番上でCが一番下というものではなく、牛肉の歩留まりであり、牛肉の取引は重さを重点においています。

例えば、車一台を作る上では、数多くの部品の組み合わせで、商品という価値を生みますが食肉の場合は、と畜から商品化まで脂を削ったり、人間が嫌がるようなものを取り除いたり、骨を抜いたりします。それは、重さ削られた状態で初めて商品という価値が生まれます。

A~Cというのは、枝(半丸)といわれる状態で、部分肉になるまでの一つの基準(歩留り)をあらわしています。

この格付であらわしている牛は、美味しいのか?それとも良い牛なのか?悪いのか?というものではなく、取引において、原料の経済性を知る判断基準になります。

蛇足ではありますが、これは絶対うまいなどの判断は、それぞれの仕入れ担当者の見極めと味覚の判断になります。ただ、これだけは言えますが、日本の牛で、不味いものはありません。日本の牛は世界で高い評価されていますから




そもそも和牛とはなにか

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一般的に考えると和牛は、日本で生まれた牛が日本で飼育されたものではないかと考えていますし、中には飼育期間が長いところが生産地とされ、海外で出生されたものが日本で飼育され、それも和牛になるという情報がありました。

難しい事になっていますが、日本の法律において、この和牛についてきちんと線引がなされています。それは、「和牛等特色のある食肉の表示に関するガイドライン」という所で、農水省から表示に関する部分で明記してあります。

ここでは、黒毛和牛・褐毛和種・日本短角種・無角和種の品種を下記により証明できて、かつ、牛トレーサビリティー制度により品種や日本国内で出生したこと、国内で飼養された牛であることが確認できる牛の肉とされています。

和牛を「登録制度等により証明」できる書類

  • 子牛登記証明書
  • 登録証明書
  • 血統を証明する書類
  • 受精証明書
  • 種付証明書

体内・体外受精卵移植証明書があってはじめて和牛といえます。

国産牛に関しては、飼養地の最長期間で国産と表記や表示となります。

例えば、アメリカで出生した牛を日本に運び日本で長期間飼育した場合は国産となります。

又、輸入した時点で農水省に報告しなければなりませんので、個体識別番号によって履歴がわかります。

個体識別番号等の検索においては、家畜改良センターでとりおこなっていますので、国産牛を購入した場合、調べてみるのもいいかもしれません

家畜改良センターとは?

ただ、生き物を空輸や船で運ぶ事は、手間や運賃等を考えると、非常に難しいです。私がこれまで仕入れてきたものでこのような件は、見たことはありません。

牛の格付けの目的と基準

ここでは、牛の格付けについて記載していきます。

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先の記述にもありましたが、A3とかA5などを格付けと言います。

正式な名称は、牛枝肉取引規格としていますが、これは、(社)日本食肉格付協会が食肉の流通の抜本改正による農林水産省(農水省)の承認を受け、全国で実施されるようになりました。

昭和63年4月に実施され、牛枝肉だけでなく部分肉規格や平成元年4月には豚枝肉規格・部分肉が実施されました。

牛肉や豚の商品のラベルをみると、ウデとかももなど記載されていますが、表記の基準にもなっています。

この格付け(牛枝肉取引規格)は、食肉の生産や国際化に伴いより円滑な流通の促進と公正取引の推進のため、全国統一規格として定められています。

牛枝肉取引規格の概要

歩留り等級と肉質等級を組み合わせたもので、全部で15段階があります。

まず、枝肉は第6第7肋骨間で切断され、ロース等の断面積から枝肉重量に対する部分肉重量の割合が測られます。これを歩留りといいます。

歩留りが72%以上がA 69%以上72%未満がB 69%未満がCとなります。一般的に和牛A、和牛以外の肥育牛がB、経産牛がCとなり、これを歩留り等級といいます。

次に切断面のロース芯の脂肪交雑(霜降状態)、肉の色沢、肉のしまりときめ、脂肪と質により、5から1等級に区分され、これを肉質等級といいます。

また肉質等級には、それぞれ基準が設けられています。

  • 牛脂肪交雑基準(B.M.S)
  • 牛肉色基準(B.C.S)
  • 牛脂肪色基準(B.F.S)



瑕疵の種類について

牛枝肉には、等級印の他に瑕疵表示があります。

  • 多発性筋出血(シミ)・・・ア
  • 水腫(ズル)・・・・イ
  • 筋炎(シコリ)・・・ウ
  • 外傷(アタリ・・・・エ
  • 割除(カツジョ)・・オ
  • その他・・・・・・・カ

雌と去勢について見分け方もありますが、別のカテゴリーで説明していきたいと思います。

まとめ

A5は上位のランクではありますが、最高級とは言いづらい部分があります。

それは、ブランド牛(銘柄牛)の存在もあるからです。

また、生産農家の方々の努力で、牛肉自体に品質が向上し、A3だから・・・とは言い切れません。

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サシの入り具合が悪くても、味は素晴らしいモノもあります。

格付けは、あくまでも基準でありA5だから良いものとは言えず、個々によっては受け入れるかどうか難しいモノです。

自分の好きな味を見つけるのも、牛肉の一つの楽しみ方ではないでしょうか。