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牛肉のポイントデックルオフとは?

約 6 分
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ご覧頂きありがとうございます。

今回は、部位名の英名で数多くのお問い合わせから「ポイントデックルオフ」についてふれていきたいと思います。

また、海外との食の文化の違いから牛肉の部位の分け方が違う点もありますので、留意しておきながら見ていただくと良いと思います。

「かたばら」にある「かたこぶ」がポイントデックルオフです。

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ポイントデックルオフとは、日本名で「かたこぶ」といいます。

正式な名称は、ブリスケット・ポイント・エンド・デックル・オフといい、オーストラリアの一つの規格であり、部位名となります。
今回は、このまえばら部位について記載していきます。

関東名・・・まえばら(かたばら)
関西名・・・ブリスケ
英語名・・・ブリスケット




「かたばら」の特徴と用途

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「かたばら」の特徴

内側かぶりと赤身肉の間に脂肪が入り込んでいるこの部位は、肉質はほとんど硬いが柔らかい部位もあります。味があり、焼き肉として可能な部分もあります。

まえばらでも質のよいものは脂肪交雑がはいっているものもあります。

「かたばら」部位の用途

すき焼き、シチュー用、コマ材に使用可能です。

「まえばら」部位の商品づくり

まえばらは商品づくりの難しい部位です。というのは、肉付きが薄く脂肪の多い部分や肉付きが厚く脂肪の少ない部分があり、柔らかさにも差があります。したがって、商品価値においてかなりの差があるから、その価値を生かした商品づくりをしなくてはなりません。

小割りせずに丸ごとの商品づくり

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ともばらとの切断面より約10センチのところで切り離し、切り離し、切り離した部分を赤身肉と内側かぶり部分に分割し、脂肪を適度に取り除いて、これに赤身肉を合わせて切り落とし材とします。
※まえばらだけで商品作りをしないほうがいい。

真ん中部分の商品づくり

スライスしてすきやき、しゃぶしゃぶ、シチュー用に単品で商品づくりができます。

あたま部分の商品づくり

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あたまの部分は多い目に残し、赤身肉、外側かぶり、内側のかぶり、あたま部分とに小分割し、それぞれ脂肪を取り除きます。

  • 赤身肉は上切り落とし、焼き肉、ミニステーキ、たたき用に。
  • 外側かぶりは(サシがある場合)、シチュー、切り落とし材料に。
  • 内側かぶり・あたま部分は、切り落とし、カレー用に。

こうして分けて使うと、単調なスライス一辺倒の商品づくりより、多品目の商品が生まれ、扱いにくいといわれるまえばら部位も有効的に商品づくりができます。

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まえばら部位の分割と整形

内側かぶりと赤身肉を分割します。

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内側かぶりに脂肪をつけてかぶり部位を切り離します。

※図では、かぶり部分を下側にして分割していますが、基本的にはこの逆で、赤身を下側にしてかぶりをめくりあげて取り除くのがよいです。

赤身肉と外側かぶりを分割します。

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赤身に沿って、外側かぶりを切り離します。

※図では、かぶり部分を下側にして分割していますが、この逆に赤身肉を下側にして分割してもよいです。
※分割した部位は、それぞれ脂肪を適度に取り除き、仕上げます。

まえばら部位赤身肉の商品化

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まえばら部位赤身肉の特徴

まえばら部位の赤身肉は、大きくて薄い部位。いちぼ部位と同じように柔らかさ、味が極端に異なっています。

ともあばら側は肉質が硬めで味が落ちます。あたま部位(細い方の3分の1)は、柔らかくて風味が良く、この美味しいあたま部分だと同じ枝肉のしんたま部位に比べて、ブリスケットの方がやわらく味があります。それほど価値が高い部分です。

まえばら部位赤身肉の用途

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(肉細の3分の1、柔らかい部分)
たたき、ミニステーキ、上切り落とし、すきやき、しゃぶしゃぶ用に使えます。特にシチューに相性が良いです。(ともばら側の硬い肉)しゃぶしゃぶ、すきやき、シチュー、切り落とし、薄めに切って焼き肉用に。

※ここまで商品価値を高めると商品づくりもしやすい。また、スライス一辺倒の商品づくりだけでなく焼き肉、たたきなどの価値の高い商品づくりができます。

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まえばら部位外側かぶりの商品づくり

まえばら部位外側かぶりの特徴

まえばら部位外側かぶりのは、内面に薄く脂肪が覆われていますが、赤身肉です。
この部位は、サシが入りやすく見栄えはいいですが、肉質は目の粗い独特な部分なので、硬くて味が淡白です。特に薄い部分は非常に硬いです。

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☓の部分と上の肉の薄いところは特にかたい。
印の部分がシコリ状になっているものは、特に硬いからここを取り除き、合い挽き肉したほうがよいです。
全体的に肉質が硬いから、なるべく薄めに切る。
肉薄の部分は特に硬いので挽肉かカレー用に。

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まえばら部位の内側かぶり部分の商品づくり。

まえばら部位の内側かぶり部分の特徴

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平たい脂肪の多い部位ですが、味が良いです。脂肪が多すぎるため単品での商品化は難しい。

まえばら部位の内側かぶり部分の用途

小間切れ材または、カレー用に。どちらも赤身肉とあわせて切る。

まえばらの雑肉部分の商品づくり

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まえばらの雑肉部分の特徴

小さくて平たい肉片で、適度に脂肪があります。又、硬いので、商品価値が低いです。

まえばらの雑肉部分の用途

主に挽肉材。肉厚の品であってもカレーか肉じゃが用(小間切れまで)まで。
※単品では商品にむかない。




まえばらのあたま部分の商品づくり

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まえばらのあたま部分の特徴

脂肪が多く、肉薄の硬い肉質。商品価値が低いです。

まえばらのあたま部分の用途

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分割して脂肪を取り除き、切り落とし、カレー用に。図の赤身肉は、サシがはいりやすく、切り落とし用にすると見栄えのいい商品が作れます。
あたま部分は、単品での商品づくりを避けた方よいと思います。

まとめ

料理のよって商品づくりのポイントが変わりますが、海外でもそのような方法で商品化されており、独自のカットの方法があるようです。ただ、海外での商品づくりは、日本のように細かくなく非常に容易で素早く構成されています。

日本人の繊細さが、商品づくりの肝になってきているとおもいますが、特に筋引きに関しては、非常に丁寧な作業が必要になってきます。

また、筋引きには2つの方法があり、まず一つの部位を先にバラバラに小分割してから、すじを引く方法。2つめは、はじめにまわりのすじを引きけるだけ引いて、小分割のときにそのすじを利用して、分割するすじには手をつけないで残す方法があります。

効率の良さではいえば2つめにあたりますが、その技術には非常に繊細さが要求されます。