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プロが知っておくべき焼肉のタレの知識とは?

約 8 分
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ご覧いただきありがとうございます。

今回は、肉料理には欠かせない「タレ」について記載していきます。

タレには、味をおぎなうようなことだけではなく、様々な役割を果たしていますので是非参考にしていただければと思います。

牛肉のタレとは何か。その種類と材料を解説。

焼肉のルーツといえば朝鮮半島の歴史をさかのぼることになりますが、ここでは、そのルーツの朝鮮半島、韓国での焼肉のタレ類の考え方の基本について知っていたほうが良いと思い、記載させて頂きます。

薬念醤(ヤンニョムジャン)というのがそれで、調味・香辛料類をひっくるめたものを指します。料理を「味をつけする」ことを「薬念する」という。日本では「薬味」として香辛料を指しますが、それと同じ事ではありません。味噌、醤油も薬念だし、香辛料も薬念です。食べ物をおいしく味つけするために使われるのは、すべて薬念です。

薬念(ヤンニョム)という語は、古くかは薬塩(ヤンニョム)でしたが、塩が貴重だった時代、薬として用いられていたことで、塩そのもののことを薬塩と読んでいました。

やがて、塩以外に味噌、醤油、ニンニク、しょうが、ネギなどが料理の味つけに用いられるようになり、「薬塩」という語は実体に合わなくなってしまったため、そこで同じ発音になる「薬念」(ヤンニョム)という字が用いられるようになりました。

ところで、塩が人間の生活に必須のものであることから生まれた語が「サラリー」です。ラテン語の「SALT]につながっている。古代ローマでは、労働者の報酬に塩が与えられたことから、サラリーは「給与」を意味していました。

この語に「人」を指す「マン」をつけたサラリーマンは、和製英語です。この語が身のまわりにあることで、人間の生活にいかに塩がかかわってきたかということがわかります。「薬塩」という表現も同様なのです。

料理をおいしくしたいという知恵は、いつの時代、いかなる地域でも発揮され、重ねられてきました。いまや、薬念のバラエティーはきわめて様々です。

前回では、焼肉のたれについて記載しましたが、

焼肉のタレ類も、この薬念そのものであり、食肉の材料にあわせて工夫がなされています。

タレ類の種類と材料

もみだれ

肉の味を生かすのに「もみダレ」は大切ではありますが材料の基本は、醤油です。

これに甘味料、旨味調味料として化学調味料、塩辛の汁(液体塩辛)、昆布などが用いられます。香辛料としてはニンニクのおろしか、きざんだもの、ショウガ、ネギ類に、りんごなどの果実類も用いられます。辛い味を出したいときには、コチュジャンで調節することもあります。

これを鍋に入れて熱するのですが、ニンニク、ショウガ、果実類は、調味料全体を加熱後に加えるようにします。このような材料を合わせたタレの風味が十分生かせるようにするには、ひとつになったものが、肉の味を良くしてくれます。

韓国では、つくったもみダレに肉を一緒に寝かせることも行う。いわゆる「壺漬け」です。この場合、肉の色が黒っぽく濃厚になり、印象があまりよくありませんが、家族だけの席ならともかく、お客様への提供は難しくなります。タレは冷蔵庫で保存可能であり、ブレンドがよくなることも期待できます。

もみダレは焼肉を味わう上で、もっとも大切な役割を果たすものといえます。

つけダレ

焼けた肉をおいしく食べやすくすることを目的とするのが、このつけダレの役割といえます。

もみダレと同じく、醤油が主材料で、これに甘味料と、旨味調味料では化学調味料がよく、みりん、酒、ワインなども好みによって使われます。手作りの場合、子供の多い家庭では、甘味料を多くすることがあります。

このつけダレにも香辛料は大切で、ニンニクですがおろしニンニクはかかせません。次にネギで、ときにはニラ、玉ねぎを用いてもよいです。果実はりんご、梨などが使われます。

作り方は、醤油などの調味料類を、まず加熱してから、おろしニンニクや果実類のスライスしたものなどを加える。これも冷蔵庫で保存使用可能で、なお、つけダレは好みによって強い辛さを求める人がいます。コチュジャン、粉とうがらしを添えておくこともあります。

味噌だれ

内臓を焼くときに使われます。内臓には、肉と違って特有の臭いがあるため、この臭いを消す役割を期待して、味噌が使われるようになりました。この味つけに馴れたことから、内臓類の味つけに味噌はかかせないものとされるようになっています。

作り方は、味噌、醤油、甘味料、みりん、旨味調味料、粉唐辛子、コチュジャンなどを良くかき混ぜて加熱する。これにおろしニンニク、きざみネギ類、おろししょうがなどを加えて、軽く熱して冷まします。

内臓の種類によって、味噌の量を加減することがあってもよいと思います。




タレに用いられる調味料

コチュジャン

焼肉料理にかぎらず、各種の味つけ「薬念」に、このコチュジャンは大切な役割を果たします。

コチュジャンとは「苦椒醤」のことで、苦椒とは、唐辛子のことです。

この調味料が朝鮮半島で一般化したのは、19世紀のことである。それ以前には、貴重な「椒豉」(チョシ)とういう辛口の味噌がありました。

「椒」は山椒を指し、「山椒味噌」を意味しています。この山椒の変わりに唐辛子の辛さをいかして作られたのですが、「苦椒醤」つまりコチュジャンなのです。

19世紀初めに記された黄海南道(朝鮮半島中部)出身の女性の手になる「閨閤叢書」(キュハブチョソ)にこの作り方が出ています。

この書は女性の百科事典ともいうべきもので、当時の上層階級の女性たちが身につけるべき「知識」が網羅された、大切な書籍になります。この文献によって、コチュジャンの作り方が全国に広がっていきます。

材料は大豆が主で、米の餅、唐辛子の粉と塩、干し肉の粉、ナツメ、はちみつなどをあわせて発酵、熟成させています。

今、朝鮮半島の南北でみられるコチュジャンは、これをアレンジして多様化したものです。

甘味を出すのにサツマイモを使うところもあれば、水飴を用いるところもあります。どんな作り方であれ、コチュジャンとなれば唐辛子入りの調味料です。各種料理の薬念に重宝される常備食となっています。

手作りでつくられていることが多く、家庭ごとにそれぞれの「持ち味が異なることは、よく知られています。

コチュジャンは、甘味、辛み、塩辛、酸味、うま味、苦みなどがミックスされた複合調味料で、全面には辛みと甘味がでているのが特徴です。これを毎日の料理作りに利用することになって、朝鮮半島の料理が「辛い」をもつにいたったのです。

この辛いコチュジャンの定着の定着により、朝鮮半島全体の食べ物が辛くなったのは、そう古いことではないと思います。

いまや、朝鮮半島全体の料理の特徴ともいえる「辛い味」の演出者であるコチュジャンは、焼肉店でもすっかりなじみの調味料であり、これに酢の味を効かした「チョコチュジャン」、野菜にご飯や肉を包んでいただく「サムジャン」には欠かせない。

チョコチュジャン

チョとは「酢」のこと、コチュジャンに酢を加えたもの。

主として魚介類の「膾」(フェ・さしみ)や牛肉の内臓類の生、豚肉をゆでたもの、豚足などをいただくのに用いられます。

主材料はコチュジャン、おろしにんにく、うまみ調味料、甘味料などが合わせられるが、ごま油が「隠し味」の役割をすることがあります。酢が「生もの」に使われるのは「殺菌」の効果をはたしているからです。

味に変化をもたせるため、コチュジャンの代わりに味噌を用いたり、両方を用いたりすることもあります。




サムジャン

サムとは「包む」の意味です。

朝鮮半島では生野菜、海藻などでご飯や肉、魚介類を包んで食べます。この包んだものの味つけに用いられるのが、「サムジャン」なのです。

韓国のことわざに「サムジャンにはコチュジャンは欠かせない」といわれるほど、コチュジャンには必須のものとされます。だが、辛い味だけではなく、ご飯を野菜で包む「サムジャン」にはうま味が必要で、うま味調味料に液体塩辛、魚介類のだしがよくつかわれます。

生野菜としてよくもちいられるのは「サンチェ」(チシャ・サニーレタス)、エゴマの葉、大豆の葉、生わかめなどがあります。

ご飯や肉を包まず、野菜を生食するドレッシングとしても利用されています。

薬味醤油

醤油主体の調味料で、これこそ、朝鮮半島では「薬念醤」(ヤンニョムジャン)とばれているものです。焼肉店で出されるチジミ、コムタン、(牛のテールスープ)大豆もやしスープなどの味つけには欠かせない。

主成分の醤油のほかに、ネギ、ニラ、ニンニクなどを細かくきざんで使います。ゴマ油も大きな役割をはたします。タレの薬念醤に用いられる材料にニンニク、唐辛子は必須のもので、大切な味を演出しています。

まとめ

日本の焼肉の歴史は、朝鮮半島からきていることになっていますが、このタレにかかわることも朝鮮半島からきています。

今回は、タレについてですが、本来はまだまだ多くの事があり、機会があれば記載していきます。