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焼肉店(牛肉を扱う店)にあるラーメンに(冷麺)何故冷たいものがあるのか?

約 5 分
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焼肉という文化は、朝鮮半島からきています。

すなわち朝鮮半島の食文化が焼肉店でのメニューの基盤になっていることは過言ではありません。

また、メニューの一つにある「冷麺」も朝鮮半島の食文化にあたります。そんな焼肉店にあるメニューの冷麺についてご紹介していきたいと思います。

焼肉の文化は、朝鮮半島からきていますが、麺類を知ることでその食文化を知ります

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焼肉店のメニューで冷麺のないところはあまりないのではないでしょうか。

夏のシーズンには、この冷たい麺は非常に人気がでます。

麺の適度な歯触り、酸味とうま味、スープの辛い辛み、冷たいがゆえにの中の喉越しは、なんともいえなさわやかさとなります。

焼肉を食べて酒を飲み、仕上げに軽く冷麺を一杯とは暑い夏はもちろんのこと、シーズンに関係なく楽しいパターンといえます。その冷麺とは何故冷たいものにしたのかを検証しいきます。




麺とは

細長い麺の作り方は、大きく3つに分けられます。

  1. ①手で引っ張って細長くするラーメン、そうめんの系列
  2. ②切り麺、つまり手打ち麺の系列
  3. ③押し出し麺、つまり冷麺の系列

ちなみに日本の麺づくり文化には①、②はありますが、③は見当たりません。朝鮮半島には、②と③はありますが、①に該当するものがありません。そして中国にはすべてあるだけではなく、別のものもみられるのである。

朝鮮半島では、麺のことを「クッス」とよびます。漢字で書くと「掬水」となります。

そもそも、粉を練って手で引っ張るラーメンやそうめんの系列は、小麦粉のもつ粘弾性を生かしたつくり方です。

しかし、朝鮮半島でみれば昔から北部では小麦の生産が少なく貴重品となり、そのためにクッスの主材料はそば粉でした。寒い気候で秋に米、初夏に麦類を収穫する二毛作ができなかったからです。

そばは畑で作られますので、米の生産と並行できる。

このそば粉を用いてクッスに練ってもボロボロしているので、麺にするには粘弾性のある粉”つなぐ”ことが必要になってきます。

そこでつなぎになる小麦粉が入手しにくい地方では、緑豆(りょくとう)(赤い色の小豆とは色だけが緑で異なる)の粉でつないでいました。いまでも冷麺の有名なところはピョンヤンなどの北部地方とされるのは、このためです。

小麦粉と違って緑豆粉はでんぷん質に富んでおり、さらさらした特性があって、そのためにそば粉を練って緑豆粉でつなぐとなると、薄く伸ばして切り麺にするのは適しません。

ただし、緑豆粉のでんぷん質とそば粉が熱せられて「のり状」になる性質を利用して、粘りのでたそば粉と緑豆粉を組み合わせて細長く作り上げるのが、圧搾法いわゆる押し出し法の麺です。

朝鮮半島の麺を代表するともいえる冷麺は、この押し出し製麺法から生まれるべくして生まれた智慧の結晶といえます。

冷麺はなぜ冷たいのか

麺にそば粉を用い、小麦粉の代わりに緑豆のでんぷん質のさらさらした特性を利用して押し出し、細長く形成したのです。それを早くのり状に固めるため
に、押し出し器の下の熱湯釜で受け、さらに冷水で急冷します。

冷水でさらされた麺は固くなり、コシがでるようになります。

このコシを生かすには温かいスープより、冷たいスープがいいです。これにぴったりの汁が朝鮮半島の生活にはありました。それは冬沈(トンチミ)とよばれる水キムチです。

冬沈は、冬の間を食べつなぐ野菜(大根や青菜類)の保存法で、初冬から翌春までの貴重な常備食品だった。

地中にカメを埋蔵して漬け込みます。かまどの上に麺の押し出し器を備え、下の釜の熱湯に麺落とし、冷水でさらしたあと、冬沈の汁に麺を入れる。

冬沈の具材の大根や青菜を切って盛り付けます。ときには豚肉などものせます。

このような素朴なものが、本来の家庭での冷麺だったのです。

麺が作られ、冬沈がつくられる朝鮮半島での冬のシーズンは、屋内では温突(オンドル)の暖房生活を営む。

外は厳しい寒さだが、室内にいれば汗ばむくらいの室温です。そんなときにはさわやかな食べモノが求められるが、それにぴったりなのが、この冷たい汁の麺であるというわけです。冷麺とされるものの種類は多い。

かくして冷麺は、冬につくられて食べる麺として生活に定着したわけです。「東国歳時記」(1849年)には、11月(旧暦、今の12月)のころに「冬の時食としてそば粉麺にダイコン、青菜の漬物を入れ、上に豚肉を盛り付けたものを冷麺という」とあり、旧暦11月の歳時食として冷麺が指定されています。

汁になる冬沈キムチも11月に食べるものと記されており、冷麺はまさに朝鮮半島の寒い気候風土から生まれ食べ物と言えます。ところが現在では、焼肉店で冷麺の人気がでるのは夏場ですが、夏バテ予防の焼肉と合わせ、今や、夏の歳時食へと変わったもいえるのではないでしょうか。




まとめ

焼肉とは、朝鮮半島の食文化の伝来からきたもので、戦後から人々にしたわれるようになりました。

日本の食文化をさることながら、朝鮮半島の食文化には、古来の人々の様々な生きるための知恵が詰め込まれています。それらを知ることで、味をまた深くしることになるのではないでしょうか。

生きる事に大変だった時代に賢人たち多くの創意工夫を重ねながら、新しいものを生んできましたが私も見習っていきたいとひとえに感じました。