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焼肉店(牛肉)から学ぶ匙文化の器(どんぶり)に意味がある?

約 6 分
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日本では丼とは、井戸の中に落ちた物が水面で発する音に由来するが朝鮮半島では匙文化が関わる

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朝鮮半島では、ご飯は匙(さじ)で食べます。箸はおかずをつまむものに用いるだけで、スープや汁類もすべて匙を使います。もし、箸でご飯を食べようものなら、それこそはしたない作法とみられます。

匙と器

食卓(床(サン)とよぶ)には、匙と箸が食器の前か脇に置かれます。匙は手前で、箸はその向こうになります。食事をするときは、まず匙を右手にとり、スープを少し味見し、次いでキムチ(水キムチの場合)の味を見て、それからご飯を軽く一口含むことで始まります。

この順序が形式ばった席での食事作法で、ご飯も汁もの類も、つまり水気のあるものはすべて匙でいただきます。箸は干物、和え物、焼き物などをつまむときのみ用いられます。箸の出番はどうしても少なくなります。

ご飯は匙で食べるので、食器は手に持ちません。金属で重く、大型で持てるほどのものではありませんが、炊き立てのご飯なら熱いのでなおさらのことです。それよりも匙でご飯をとれば口まで安全に運べるから、持つ必要がなく、左手で軽く食器を支えるだけで十分です。

大型の食器にたっぷり盛られたご飯は、食べ残すのが礼儀だった。おなかいっぱい食べ残るくらい十分な量でした、との意味があります。
ご飯を客にだす方からしても、残っていないと足りなかったのか、と心配することになります。日本のようにご飯の「お代わり」はありません。数十年前まであったこのマナーは形式的すぎるとして、「生活改善運動」でなくなってきています。しかし、まだ儒教礼俗にこだわる先輩層や農村地域での生活にはみられる作法です。これが匙文化といわれるものです。

日本の箸文化では、ご飯が箸からこぼれ落ちるので、食器を手にもって口に近づけてから、箸いただきますが、当然、手に持つ食器は小さく軽いのがよいです。ご飯の量が少ないので「お代わり」は自由となります。

匙文化ではスープや汁ものを匙ですくっていただくので、食器を口につけてのむことはしませんが、スープの食器を口につけてすすり飲むような食べ方は、はしたない作法です。箸文化の日本の味噌汁やすまし汁は、食器に口につけていただく。そうでないと食べられない。匙文化の朝鮮半島の食作法で食器を口につけられるのは、飲料類と酒を飲むときだけです。

このように、匙が主役の匙文化と、箸のみの箸文化とでは、食作法がにおいて大きな違いがあります。
匙で食事をするから、汁気のものは深さのある大型の器になりやすい、干物、和え物、焼き物類は平たい皿になり、調味料類、塩辛類は小物の器とわかれます。箸文化だと皿類は別として食器は手にとることができるものが多く、小型になりやすい。こうしてみてみると匙文化と箸文化の違いは、食器の形や大きさにもかかわってくることになります。

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匙文化と食膳

さらに、テーブルつまり食卓、食膳にも関わりはでてきます。

匙で食事をする場合、食器を手で支え、匙でご飯を口まで運びやすいようにするには、テーブルの高さは胸のあたりになるのが望ましい。座ろうが椅子に腰かけようが、その高さに合わせた食卓なり食膳が求められる。

一方、箸文化で食器を手にすることが許されると、食卓、食膳の高さはとくに限定されないで済みます。温泉旅館などの団体宴会では、一人一人が食事する銘々膳がだされる。この高さは低いのが一般です。ほとんどのメニューが箸で食べられ、食器が小型で持ち上げることが容易だからだろう。
朝鮮半島にも銘々膳はあるが高さが違います。やはり、ご飯や汁ものを匙で食べやすいようになっています。

背の低い銘々膳もありますが、これは酒を飲むときに用いる「酒案床(チュアンサン)」です。酒を飲むときは、容器に手にとり口にもっていけるので、膳の高さは問題がおこらない。また酒のつまみは、箸でつまめる干物、和え物類とされていたので、この膳は低い銘々膳ともなっています。

匙文化の特徴

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多様な粥料理

朝鮮料理は、粥の種類が多い。粥の基本は白米粉であるが、各種の食材に使った粥がつくられるのが、匙文化の特徴です。日本の焼肉店で粥のメニューをだしているところはあまりありませんが、検証してみる価値はあるだろうと思います。

韓国の粥料理は材料が多様であり、食材は、ダイコン、ニンジン、ほうれんそう、ナズナ、セリ、フダンソウ、山芋、百合、栗、杏仁、蓮の実、レンコン、菱、松の実などが多い。牛の内臓、鶏肉、フナ、グチ、カキ、アワビ、イガイなどを粥に炊き込んだものが、古くからの料理書類には多くみられる。さらに植物性、動物性の食品を組み合わせた料理法がこの粥づくりにいかされ、現在の食生活にまでつながっています。

肉料理をしっかり食べて、ご飯を軽くというときの組み合わせに、これらの粥類は良いかもしれません。そのような意味では、焼肉店料理メニューに活用してみるのも価値あることでは
ないかと思います。まさに匙文化の出番かもしれません。

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ご飯とスープが一緒

ビビンバやクッパも匙があるからこそ考えついた料理ではないでしょうか。
朝鮮半島の食事では、ご飯とスープはセットであるこてゃすでに記載しましたが、このご飯とスープを別々に出さずにひとつにまとめてしまった便利なメニューに仕上げたのも、匙あってのことです。

そしてスープ、野菜類、魚介類、肉類がそれぞれ単独で、または混合で具材となるボリュームたっぷりのメニューこそ、米ご飯の服飾にぴったりの組み合わせを演出してくれます。

盛り付けはこだわらない

匙文化料理と箸文化料理にはそれぞれ特徴がありますが、匙は食べる作業が便利なだけに形や盛り付けにこだわらなくて済むことが多い結果として匙料理は形が崩れていてもよいため、見た目にきれいな料理が少ない結果になりやすい。箸料理は形と大きさが重視されるため、盛り付けしやすく、見せる料理を演出することができます。匙を使う食生活と箸のみの食生活は、このようなところにも特徴がでてきます。

朝鮮半島の料理の特徴は、味だけなら辛味を取り上げることもできますが、しかし、食文化全体としてみるならば、食器類、料理内容、食作法などを匙文化としてとらえてこそ、はじめて理解ができるのではないでしょうか。

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まとめ

「木を見て森をみず」という言葉があるように全体的にそれぞれの食をみることで、地域の食文化がをしることになります。

食を文化としてとらえていくとそれぞれの味わいが、また違ったものに変わるのではないでしょうか。

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