創業100年牛肉博士

創業100年牛肉卸のプロが、本当の牛肉の楽しみ方や美味しさ、技術と知識をすべて公開している牛肉情報サイトです。業務用牛肉からスーパーの牛肉までを網羅し、バーベキューや焼肉、ステーキにも役立つ、知っておくと役立つ牛肉の知識をお届けします。あなたも牛肉博士になりませんか?

トレーサビリティの本当の意味とは?

約 6 分
創業100年牛肉卸のプロが、本当の牛肉の楽しみ方や美味しさ、技術と知識をすべて公開している牛肉情報サイトです。
業務用牛肉からスーパーの牛肉までを網羅し、バーベキューや焼肉、ステーキにも、知っておくと役立つ牛肉の知識をお届けします。
あなたも牛肉博士になりませんか?




ご覧いただきありがとうございます。

今回は、トレーサビリティについて記載していきます。

現在の食肉においては、食中毒やBSEなどの事象から安心し、安全に牛肉が食べられるよう様々な取り組みがなされています。そして、このトレーサビリティにおいては、その安心と安全を担保する上での重要な役割の一つされています。

少し難しい内容ではありますが、大切なことではありますのでおさえておきたいところです。

農場から食卓までの安全性の確保のシステムがトレーサビリティ




トレーサビリティの意味とは

トレーサビリティ(traceability)は、trace(追跡)と ability(可能性、能力)の2つの単語を合わせた言葉で、食品のトレーサビリティとは、食品の移動を把握できることを意味します

日ごろから食品を取り扱った記録を残すことにより、万が一、健康に影響を与える事件・事故が起きたときの迅速な製品回収や原因究明のための、経路の追跡と遡及、表示が正しいことの確認などに役立ちます。

このことから消費者からみれば牛肉を購入した場合の安全性を確保できるものであり、生産から販売者にいたるまでの事業者からみれば事故があったときの原因究明の糸口への重要な役割をはたしています。

かかわる関連法規には、「家畜伝染予防法」「動物用医薬品の使用の規制に関する省令(薬事法による)」「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律」「と畜場法」「食鶏処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」「食品衛生法」「JAS法(農林物質の規制及び食鳥検査に関する法律)」「食肉の表示に関する公正競争規約」「食肉小売品質基準」「食品衛生法」があり、生体ではどのような飼料を与えたのか、どのような薬品を使ったのか、どこで生まれ、どこで育ち、どこでと畜されたのか、どこで処理され販売されたのかなど、牛一頭に対してわからないことがないくらい知ることができます。いわゆる食肉の履歴書のようなものです。

 

トレーサビリティでわからないことは?

ただし、トレーサビリティでもわからないようなことがあります。それは、ジビエ料理などにあるいのししなどです。

なぜかというと、このトレーサビリティの適用範囲は、生産や飼育されたものは、生産者が届けていますが、野生で育った畜種に関しては、生まれがどこかわからない場合があります。

いのししの一日の移動距離は、40キロから60キロともいわれますので、山間に囲まれた県境などでは簡単に県をまたぐ場合があります。

しかしながら、現在において規定はないものの、いのししなど自主的に届けるようにうながされているものもあり、ジビエを食べる人が増え格付けが行われる地域もあります。

まだまだ、安全性に関しては確保できていませんが、今後の課題となるでしょう。

このトレーサビリティは、生産から販売者まで全国的に記録管理され、誰でもインターネットで固体識別番号を打ち込めば、すべてわかるようになっています。また、その管理は、家畜改良センターが行っていますので、一度調べてみるのも良いかと思います。




安全性を確保するためにさらなる努力をし続ける食肉の事業者達

食肉に関する安全性ですが、過去に牛肉の偽装事件や食中毒で幾人もの人が亡くなり、原発事故による風評被害が多数報告されていまが、これらがあってから食肉の販売業者や食肉の処理事業者達は、この安心と安全のための信頼の確保へと取り組んでいます。

一連の事件から自治体から国と民間のコンサルタント業者などを介して、認証制度が行われています。

これは、一つの業者が民間のコンサルタントや保健所、衛生の専門分野に活躍するかたにアドバイスを頂きながら食品の衛生管理と品質管理に取り組みそれを第三者(民間業者か行政)が認証する形をとっています。

いわゆる、HACCPやISOなどです。

この信頼確保へ取り組むためにあらゆる危害管理を取り組んでいて、莫大なコストをかけながらもこれを率先して取り組む業者が多くなりました。

逆にHACCPを取り組まない業者が取引をさせてもらえない状況に、近年なってきていて、表示ラベルを見ると販売業者名や製造や処理業者が必ず表記されていますが、ネットで調べれば認証を受けている業者は、必ず認証ロゴが記載されています。

安心して購入できる一つの目安になるでしょう。

ryuutuukeiro

出典「農林水産省」

まとめ

日本では、平成9年頃から牛肉の偽装事件やBSE問題から食肉の安全性の確保が必要とされ、トレーサビリティというものが確立されました。

事件や事故があったときに明確に原因が追求できるように、また、固体識別番号の発行によって消費者の安全性の確保ができるよう履歴が公開できるようになりました。

しかしながら、この一連の法規に関しては、すべての畜種が適用されるものでもなく、輸入に関しても全てではありません。

ただ、生産農家の方々から販売に至る業者の方々は、日々厳しい規則や規定の中で信頼への確保を模索しながら努力し続けていますし、今では、日本の食肉は、海外からみれば、その安全性は大きく評価されています。

近年では、自治体が中心となっていますが、自主管理制度ができ、クレームや品質に問題があり回収した業者は原則自治体に報告になり、内容によっては、自治体のホームページに業者名など記載されることにもなりました。

現在の状況下では、偽りのできない状況になっています。

これからは、よりきびしく制度が変化していくなかで、HACCPなどの取り組みが消費者にとって選ぶ選択肢の一つとなります。