国産牛肉の中では、和牛、交雑種、ホルスタインの3品種が流通しています。
品質の面では、和牛>交雑種>ホルスタイン。
極端な話にはなりますが、和牛の品質は優れているのは誰しも周知していることすが、値段が高いため、品質が劣るものの比較的安価で手に入る交雑種やホルスタインもかなりの需要を占めています。
近年では、牛肉の単価が高騰しているため品種を変えざるおえない飲食店やレストランにおいても使われるようにもなりました。
大手やチェーン店においては輸入品(アンガス等)に転化する傾向にもありますが、やはり、国産でないと安心できないという業態においては必要な品種ではないでしょうか。
ホルスタインが使われる最大のメリットは、その単価の安さにあります。
近年の和牛の枝肉仕入れには、地域によって違いがありますが1kgあたり3000円代も突破していて、これが400kgだと100万はすぐさま超えていきます。
また、交雑種においては2000円代にもおよび350kg代でもかなり高価な価格になります。
ですが、ホルスタインにおいては、1kgあたりの単価が高騰であっても800円代ほどで雲泥の差がうまれます。
この価格が流通していきますと、消費者に大きくかかわってきます。
ですが、ホルスタインにおいては価格が安いといっても品質は優れているものではありませんので、何よりも飼育目的が違うため肉質や特徴、味をおさえ、どのようにいかしていくか課題になっていきます。
今回は、部分肉から和牛と比べ40%以上コストカットが可能なホルスタイン牛肉について記載していきます。
- コストカットをしたいためホルスタインを検討してみたい。
- ホルスタイン牛肉とはいったいどんなものか。
- ホルスタインを選択するときどのようなことを注意すべきか
- とにかく安い牛肉を手に入れたい。
以上についてご紹介していきます。
ホルスタイン牛肉とはいったいどんなものか?
ホルスタイン牛肉を知っていくためには、先ず特徴などの肉質や味わい、品種、飼養目的などを知る必要があります。
これを知っておかなければ調理にいかせない部分ではありますのでご紹介していきます。

ホルスタインとはどのような品種なのか?
ホルスタイン牛肉の飼養目的は、牛乳をしぼるためにあります。
これは、他の品種と違い育て方が違います。
よって、エサが違うため和牛や交雑種と違うため肉色や脂肪の色合いが違います。
わかりやすくするために和牛と比べていますが、ホルスタインの肉色は濃く、脂肪は若干黄色になっています。


飼養目的が違うため肉質や色合いにも影響していますが、安価であるという価格にも影響しています。

ホルスタイン牛肉の特徴や肉質
ホルスタイン牛肉のメリットには、安価である。と記述しましたが、その特徴や肉質には正直に言いますと「硬い」と感じられる方が多いのではないでしょうか。
実際の肉の目(キメ)を見ますと非常に粗いといえます。また、ホルスタイン牛の特徴でもある体格が長いため、肉自体には薄さがあります。
リブロースの断面で比較しますと


のように全体的に薄く盤面に影響していきます。これは、ステーキや焼肉をカットしていくときによく感じる部分となります。

ホルスタイン牛肉はどのような味?
和牛においては、素牛や地域によって違いがありますが、肉の味がしっかりわかり、脂肪の甘味が濃厚に対してホルスタイン牛肉は、あっさりしたたんぱくな味わいとなります。
ホルスタイン牛肉は、赤身率が非常に高く、和牛ですと濃厚な味わいのため量が食べれないとありますが、あっさりとした味わいが良いとされています。
ホルスタイン牛肉の活かし方とは?
前述したとおりにありますが、ホルスタインの特徴や味わいには硬く、味がタンパクであると記載しました。
ここちらでは、ホルスタインはどのような料理に適しているのか、また料理に必要なことや買い方について記載していきます。
ホルスタインは、硬いために薄切りにする必要性があります。例えば、「たたき」や「ローストビーフ」に適してますし、変わったものですとタリアータなどもよいでしょう。
また、煮込み料理やミンチ材にもよく使われます。私がいる地域では肉うどんなどにも使われます。実は、ホルスタイン牛の牛すじは濃厚な肉の味がでます。うで部位などは特に濃厚にでますので、非常によく使われることが多いです。
濃厚な味がでるとされ牛骨の大腿骨や前肢の骨などは、ラーメンのスープにもつかわれてることがあります。
ホルスタインは、料理の用途にあわせてチョイスしていくとよいです。
ただ、味がタンパクなため味付けも必要な場合があります。
和牛のサーロインなどは、濃厚な味わいのためそれを払拭させるために濃厚ダレを使用していますが、ホルスタインにも味付け必要かと思います。
また、ホルスタインにはC1やC2という格付けがあります。
Cというのは歩留まりをあらわしていますが、枝仕入れですと非常に経済性がよくありませんので、部分肉や小割・整形済みのもを選ぶとロス率を抑えることができます。

また、盤面が気になる場合は、C2ランクのものや重量が大きいもの、もしくは注文する際には肉厚のもを頼むのもよいでしょう。
ただし、価格が上がりますので留意しておいたほうが良いです。
まとめ
今回は、ホルスタインの肉質や特徴について記載していきましたが、飼育目的が違うため「硬い」、「味がタンパク」でありますが、国産であり安価であることがわかりました。
そのため、ホルスタインには、調理の仕方や料理用途でいかしていく必要があります。
また、ホルスタインの販売において卸問屋からみていきますと、在庫にしたくないという正直な気持ちがあるため向き、不向きがあります。ホルスタインを安価で手に入れるためには、ホルスタインをメインに専門的におこなっている業者がよいです。
例えば、こちらの五十嵐商会においては大量の仕入れを行っているため非常に割安で購入することができます。
エムマート市場の格安コーナーでは、実質金額の10%引きで購入することができますので利用するとよいでしょう。
五十嵐商会では、長野県産だけでも年間1000頭以上の取り扱い実績もありますので参考にするとよいです。
様々な地域で仕入れを行うと、和牛の子牛の値段が数年前は、20万、30万だったのに対して、現在では100万をこえた!との声を聞くようになりました。それが市場にでるようになるといったいいくらになるのでしょうか?

ブランド志向もよいですが、価格の見合った品質も大切になってくるのではないでしょうか。
