【牛肉】牛の捌きを知ろう!入門編!!

牛肉を見るときはどのような時でしょうか?

「スーパーでカットされたものを見るだけ。」

「精肉店でブロック(部分肉)で販売されているのを見る。」

「仕入れで部分肉を見る」

などなど、さまざまかと思います。

骨をついたままでみたことはありますか?

今回より、牛の捌き(脱骨)について連載していきます。

その後は、牛肉の部分肉の筋引きの仕方や焼肉などのカットの仕方について記載していく予定です。

牛肉の本を購入しても、部位名や特徴を記載してあるもののカット技術については一切ないといっても過言ではありません。

これは、秘伝中の秘伝。

いえ、伝え方が非常に難しく、また、理解しがたいものになります。

ですから、実際に作業をしてみないとわからこともあります。

しかし、牛肉は部分肉の特徴だけでは本当に知識を得た!

とは言えません。

たとえば、豚の豚トロは関西と関東の頭と首の骨を分割する位置が違うため、1か所の頚椎が余分にあることからその部分だけ豚肉がとれたことから生まれた商品になりました。

牛肉にもリブロースとサーロインの分割するだけでも価格や特徴がかわってきます。

部分肉以前の枝肉から知ることで、本当の牛肉の活かし方が見えてくるのです。

今回は、捌き関連に移る前に入門編ということで、枝肉からみる国産牛肉の品種の違いからどのように牛肉が変わるのか見てみましょう!

今回の記事からわかる内容は?

  • 牛肉の枝肉から和牛・交雑種・ホルスタイン(未経産、経産)の違いがわかる。
  • 和牛の肉質と短角種の肉質の違い。
  • 品種によって牛肉の肉質の違いわかるようになる。

牛肉の捌きかたを知る前にわかっておいたほうがよい記事の内容ですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。




 

牛肉を捌く前は牛肉の品種の違いから骨の太さや肉質が大きくかわることをおさえたほうがよい!

牛肉には国産牛肉と和牛、輸入があります。

国産牛肉の主な流通は、交雑種(雑種)や和牛にわかれます。和牛といえど大きくわけて4品種があり、それぞれの和牛によって味わいや肉質が変わってきます。

そして、メスやオス(ぬき)によっても違いがあります。

※今回の記事のオスとは去勢されたもの、すなわち「ぬき」になります。(オスは一般的に流通していないため)

ですから、それぞれ品種にメスとオス(ぬき)の両方で味わいや肉質が違うことになります。

そして、牛肉の流通を知る上で必ず通る道が枝肉になります。

では、どのようにメスとオス(ぬき)、枝肉とは一体どのようなものでしょうか。

解説していきます。

メスとオス(ぬき)と枝肉とは?

さっそくですが、写真から見ていきましょう。

こちらは黒毛和牛のメスになります。

月齢は約46ヵ月で体重は600kgになります。

こちらはオス(ぬき)になります。

月齢は36ヵ月になります。

どちらも黒毛和種になりますが、角の向きや体格、重さなどから違いがわかるでしょうか?

メスは全体的に丸みのある体格になりますがオス(ぬき)と比べ、年をとっているにもかかわらず体重が少ないです。

オス(ぬき)は、がっちりとした体格になります。

これが牛肉そのものに大きく影響します。

牛の生体は、これから頭、足の第一関節、尻尾の一部分、皮、内臓を取り除いたものが「枝肉」になります。

では、枝肉から各部位がどのような位置についているか見てみましょう。

※「けんねん」は「けんね」とも言われています。

各部位の名称から位置関係を理解できると思いますが、下側が頭で上が後ろ脚になります。

全ての枝肉はこのように吊り下げて流通されています。

これは、きちんと血抜きをするためで血抜きが中途半端ですと牛肉の肉質が痛みやすく、味わいに影響してくるからです。

では和牛、交雑種、ホルスタインのそれぞれはどのような違いあるのか検証していきます。




 

品種によってどのように牛肉がかわるのか?

品種別にならべた部分肉ではどのように違うかはっきりわかりますか?

左から和牛、交雑牛、ホルスタインにリブロースを並べてあります。

違いといえば、大きさ、色合い、サシの入り方ではないでしょうか。

しかし、これだけでは本当に牛肉の特徴をおさえることはできません。

たとえば、どこからやわらかく、どこから硬いのか。全体的なものを見ないと正直わからないことがあります。

枝肉からみればリブロースのお尻側を中心にして、すねへいくほどやわらかくなる傾向にあります。

このように全体的に見ないとわからないことがあるので知っておいたほうがよいということです。

では、牛肉の枝肉からみる牛肉の特徴をおさえてみましょう。

黒毛和種A5番の場合

黒毛和種A5 枝肉内面

全体的に脂肪に覆われており、かたこぶなどの肉つきがによいです。

すねが細めがよいのですが、黒毛和種は短足で寸胴のような体格が特徴的です。

黒毛和牛外面

肩の断面を見ていきましょう。

黒毛和種はまんべんなくサシが入り、ロース芯が大きいことが特徴です。

どこを切っても脂が多いのは、枝肉全体がサシが多いからです。

では、ロース断面とももの断面をみていきましょう。

黒毛和牛ロース断面
黒毛和牛もも断面

牛肉の評価がA5だとロースは全体的サシが入り、ももにまでサシが入ります。

適度な弾力があり、肉色も鮮やかな色合いになります。

弾力があるのはしまりがよいことのあらわれで、牛肉のやわらかさの指標でもあります。

交雑牛の場合

F1枝肉内面

交雑種の別名は、F1といわれます。

和牛とホルスタインを掛け合わせた牛で、雑種ともいわれます。

全体的に角ばった枝肉をしており、和牛のよいとこ悪いとこ、ホルスタインのよいところも悪いところが混ざり合っています。

F1枝肉外面

では、肩の断面を見ていきましょう。

和牛にくらべると全体的にサシが減っており、牛肉の断面自体が薄くなっています。

では、ロースともも部位の断面を見ていきましょう。

F1枝肉ロース断面
F1枝肉もも断面

赤身傾向が強く、牛肉の色合いが濃くなってきています。

また、ももはサシが入らなくなってきています。

ホルスタインの場合

ホルスタインの場合は、未経産と経産牛の流通が多いことから2種類同時でみていきましょう。

ホルスタイン未経産

ホルスタインは、出産しているものとしていないものは脂の付き方がまったく違います。

ただし、経産牛でも未経産のようなものはありますので注意すべきでしょう。

ホルスタインは、和牛や交雑とかなり違い牛肉自体が薄くなり、色合いが濃いものになります。

とくに枝肉から見るとホルスタインは、黒毛和種と比べ胴回りが長く、足が長いことが特徴的です。

また、骨が太いため、歩留りにも影響してきます。

では、おまけで短角種と子牛も紹介していきます。

日本短角種と子牛の場合

短角種は読んで字のごとく、角が短いことからきています。

短角種

黒毛和種とは毛の色などの違いはありますが、和牛となります。

短角種内面
短角種外面

黒毛和種とはあまり変わらないのでは?

と思うかもしれませんが、体格や味わい、弾力、脂の付き具合は全然違うものになります。

ロースの断面を見ていきましょう。

短角種ロース断面

サシがほぼ入っていない赤身肉なりますが、味わいは黒毛和種とはひけをとりません。

ただ、出荷頭数がかなり少ないので手に入れるのは困難かと思います。

では、子牛になります。

子牛

成長しきっていない状況ですので赤身が濃く、牛肉自体さほどありません。

流通はされていますが、硬くて食べにくいかと思います。




 

まとめ

いかがだったでしょうか。

少しみるのが嫌だとおっしゃるかもしれませんが、卸はすべてを見ていますし、かなりの研究をしています。

この状態から牛肉の肉質を見て、おいしいものを判断しています。

では、次回から枝肉から部分肉になるまでの捌き方についてご紹介していきます。