一般的に『ブランド牛』とは、約30ヶ月間もの時間をかけて丹念に育てられた旨味がギュッと詰め込まれた特別な極旨肉のことを指します。
みなさんも松阪牛や神戸ビーフといった名前は聞いたことがあるかと思いますが、全国のブランド牛は300種を超えているため、本当に美味しいお肉を選ぶのは難しいものです。
普段の食事ではなかなか食べられない『特別な味わい』を持つブランド牛をいざ選ぶとなると、予算や用途に合わせて失敗しない選択をしたいですよね。
今回は贈り物はもちろん、家庭での特別な日にもオススメのブランド牛について、牛肉のプロである私が、全国のさまざまな地域のブランド牛を厳選してご紹介していきます。
ご家庭でもできる主な肉料理との相性も合わせて掲載していますので、創業100年牛肉卸の品質管理室室長の目線が、牛肉の選び方について参考になると思います。
肉のプロが選ぶ国産ブランド牛ランキング10選!
創業100年牛肉卸のプロが本当におすすめのブランド牛ランキングトップ10はずばり次の通りです。
1位 神戸牛(神戸ビーフ)
2位 松坂牛
3位 但馬牛
4位 前沢牛
5位 近江牛
6位 飛騨牛
7位 仙台牛
8位 米沢牛
9位 佐賀牛
10位 宮崎牛

今回の評価基準と表の見方については以下の通りです。
- 100gあたりの平均販売価格を表示しています。
- 肉質の特徴を簡単にまとめています。
- 原産地(育成している県や市)を表示しています。
- 焼肉との相性を★5段階で評価しています。
- しゃぶしゃぶとの相性を★5段階で評価しています。
- ステーキとの相性を★5段階で評価しています。
- すき焼きとの相性を★5段階で評価しています。
- 牛肉の専門家である私のおすすめ度★5段階であらわしたものです。
この記事では美味しいブランド牛ランキングとネットに数多くあるお肉の販売サイトの中から、お肉のプロが厳選した『お肉を買うならここ!』というサイトも紹介しています。
そもそもブランド牛とは一体なに?

ブランド牛とは、国産の牛肉を基に全国の各地域で推奨され、認可されている牛肉になります。
ブランド牛の認可されている基準を決めていたり、認可している団体があります。
基準については、日本格付協会が定める基準を用いています。
よく「A5ランク」などと聞いたことがありますよね。
これは、肉そのものの味を評価したものではなく、品質を表しています。
肉のしまり具合や色合い、見栄えなどの基準であって、「美味しい」という味の評価ではありません。
認可されている団体については、県や市または民間企業がそれぞれ独自の団体を持っています。
それぞれ独自の基準で評価し、ブランド牛として認定し、販売許可をしているのです。
例えば「松坂牛」においては、「松坂牛協議会」が認定したものを松坂牛として販売できます。
ちなみに団体によっては、希少価値や生産量の観点から販売する店舗も限定されています。
松坂牛を売ってもいいお店というは、限定され、決められているのです。
スーパーなどにブランド牛があまり陳列されていないのはこのためなのです。
スーパーや百貨店で売っている場合、認可された精肉店などの店舗が入っています。
第1位 神戸牛(神戸ビーフ)
100gあたりの平均価格 | 400円 |
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肉質の特徴 | 肉質が非常に柔らかく肉のうま味が濃厚 |
原産地 | 兵庫県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

神戸牛は松阪牛と同じように、日本三大和牛として海外でも人気のブランド牛です。
名前の通り兵庫県で生産された牛肉で、厳しい審査をクリアしてはじめて但馬牛が神戸牛と名乗れるようになります。
但馬牛とは兵庫県産の牛のことで、古くから代々血統を守り続けてきました。
その但馬牛のなかから、最高の評価を与えられてようやく神戸牛と名乗ることが許可されます。
ゆえに海外のメディアからも最も高価な食べ物として広く知られており、ハリウッドのセレブなどにも愛好家が沢山います。
前述の通り、神戸牛を名乗るためには非常に高いハードルをクリアしなければなりません。
但馬牛であることは当然として、お産の経験がない、もしくは去勢した牛、歩留等級がA・B以上であることなどがあげられます。
肉のプロである私が言い切れるほど、名実ともに日本最高峰の牛肉だと言える逸品です。
お肉のプロが紹介する取扱い店は「肉贈(にくぞう)」
希少なブランド牛から全国さまざまな高級食肉を取り扱っている『肉贈』では1万円ほどから上質な神戸牛を堪能することが出来ます。
こちらで取り扱っている神戸牛は、見た目以上に脂っこさがなく、17℃付近で脂が溶け始めます。
この融点の低さが肉のうま味を引き出し、脂の後味のしつこさを軽減していることから、店主の肉の見極めがなせることだと言えるでしょう。
産地直送という点も高評価できるポイントの1つです。
第2位 松坂牛
100gあたりの平均価格 | 270円 |
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肉質の特徴 | 見た目が美しく肉のキメが細かい |
原産地 | 三重県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

誰もが知っているブランド牛と言えば、松阪牛ではないでしょうか。
なぜなら松坂牛は昔から日本一の牛肉として広く知られている高級肉の代表の1つです。
日本三大和牛とも言われ、日本だけにとどまらず、世界中で絶大な人気を集めている超有名なブランド牛でもあります。
松阪牛の最大の特徴は、芸術品と言ってもいいほどのきめ細やかな霜降りと肉質です。
非常に舌触りが良く、お箸でもさっと切れるような柔らかさは一度食べると病みつきになります。
牛肉が好きな方にはぜひ味わって頂きたいブランド牛の1つです。
業界屈指の松阪牛販売店『やまと』
やまとさんの松阪牛は、40年以上に渡り、一貫して松阪牛を扱ってきた業界内でも有名なお店です。
技術の高さと販売力から希少価値の高い部位を選ぶことができます。

松坂牛やまとの詳細レビューはこちらから

第3位 但馬牛
100gあたりの平均価格 | 140円 |
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肉質の特徴 | 肉の硬さは多少ある肉のうま味が濃厚 |
原産地 | 兵庫県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

神戸牛の素牛としてお伝えした但馬牛。
但馬牛は兵庫県で飼育された黒毛和牛のことを表しているのですが、実は但馬牛は、神戸牛だけではなく松阪牛や近江牛などの血を引いていることでも有名です。
もともと但馬牛は、水田耕作用の牛として飼われていましたが、そのお肉の旨味や脂質が評価されブランド化されました。
もともと但馬牛が地形が険しい場所で育てられたこともあり、余計な脂が少なく肉質も抜群によいのです。
厳しい環境で育ってきたからこそ、そのお肉の味わいには深みがあらわれます。
手頃な価格で上質なお肉の買える『ミートマイチク』
ミートマイチクさんが販売している但馬牛は、手ごろな価格の上、肉の専門家から見ても上等なランクの肉が手に入ることで業界内でも非常に有名なお店です。

ミートマイチクの詳細レビューはこちらから

第4位 前沢牛
100gあたりの平均価格 | 160円 |
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肉質の特徴 | 赤身傾向で肉質が柔らかめ |
原産地 | 岩手県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

前沢牛とは、岩手県奥州市の前沢地方で飼育された牛のことを表します。
もともと前沢牛は農耕用の牛として飼育されていましたが、時代は変わり食肉として流通するようになりました。
しかし、そのときの評判はとても悪く、食べられるものではないというレッテルを貼られたそうです。
それ以来、前沢牛の品質改良に取り組み、今では非常においしいブランド牛として確立されました。
現在、前沢牛と言えばきめ細やかな霜降りと上品な肉質で非常に人気のお肉になっています。
舌の上でとろけだしてしまうほどの味わいはぜひオススメしたいお肉の1つです。
気仙沼ブランドで上質の『前沢牛』
気仙沼ブランドさんの前沢牛は、スライスしたすき焼きやしゃぶしゃぶ用のお肉が、肉質のバランスと相まって絶妙です。
焼肉にしても非常に美味しく、タレが良く絡むので「カットの仕方や肉の選び方がうまい!」とプロの私も感心するほどです。
第5位 近江牛
100gあたりの平均価格 | 150円 |
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肉質の特徴 | 肉質に適度な弾力があり食感がよい |
原産地 | 滋賀県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

おなじく、日本三大和牛のひとつとしてあげられる近江牛。
近江牛の歴史はとても長く、400年以上前から存在していました。
つまりそれだけブランド牛としての地位と歴史を確立しているとも言えるのです。
とはいえ、実際に商標登録されたのは2007年とかなり最近の話で、畜産業者や販売店が努力して取り組んできた結果ではないでしょうか。
近江牛は松阪牛と比べるとお手頃な価格で購入できるため、比較的食べやすいブランド牛の1つですが、霜降りのレベルが高くやわらかさ、とろけるようなおいしさが特徴的です。
実は赤身が美味しい近江牛
私が近江牛を買うのにあたっておすすめしたいのは松喜屋さんです。
松喜屋さんで販売されている近江牛は、選び方に少し赤身傾向がありますが、肉質にあったカットに定評があり、非常に食べやすくなっているため、ギフトやご家庭での利用におすすめ出来ます。
第6位 飛騨牛
100gあたりの平均価格 | 150円 |
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肉質の特徴 | 肉質は硬めだが食べごたえのある食感 |
原産地 | 岐阜県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

飛騨牛とは、岐阜県の飛騨地方で飼育された黒毛和牛のことを表します。
飛騨牛と名乗るためには、やはりいくつかの審査を通過しなければなりません。
まず、黒毛和牛ということと、14カ月以上を岐阜県で飼育していること。
もし、等級が3未満であれば飛騨和牛という名称に変わります。
厳しい審査を通過した飛騨牛は、バラ色のような美しい赤みや脂身と、火を通した瞬間、感動するほどとろける肉質が特徴的です。
カット技術が抜群!『肉のひぐち』
肉のひぐちさんの飛騨牛は、肉の歯ごたえはありますが、プロの目から見てもお肉をカットする技術が素晴らしく、飛騨牛の良さをしっかりと味わうことができます。
第7位 仙台牛
100gあたりの平均価格 | 140円 |
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肉質の特徴 | 肉質は粗目で柔らかい |
原産地 | 宮城県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

仙台牛とは、宮城県で飼育された黒毛和牛のことを表します。
宮城県は場所的にも水や土地の質がとてもよく、牛にとっては良い環境で育つことができます。
等級はA5とB5で肉質は5という高いレベルの牛肉のみ、仙台牛として認められます。
自然あふれる環境もあって、仙台牛の肉質はとてもやわらかいという特徴があります。
プロも驚く審美眼『肉のいとう』
肉のいとうさんの仙台牛は、お肉に精通した私から見ても肉質の選び方が非常に抜群です。
仙台牛の評価は格付けだけではなく「選び方」も重要なのだという新しい発見を頂きました。
第8位 米沢牛
100gあたりの平均価格 | 120円 |
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肉質の特徴 | 肉質の色合いが濃厚で脂が少なめ |
原産地 | 山形県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

米沢牛とは、山形県米沢市で飼育された黒毛和牛のことを表します。
そのなかでも、出産経験のない牛か精巣を取った牛、さらには3等級以上の肉質と、厳しい審査を経たものが米沢牛と名乗ることができます。
米沢牛は厳しい審査を通過したからこそ、肉に一切の臭みがなく、脂身があり、なおかつ霜降りがとてもきめ細い味わいが楽しめます。
そして口のなかに入れるとさっととろけるような舌触りが特徴的です。
三大和牛として、松坂牛・神戸牛・近江牛をお伝えしましたが、この米沢牛も肩を並べるほどです。
肉質は抜群ですが、あっさりした味わいが特徴的ですので、脂分が強いお肉は少し苦手という人でも楽しめる逸品です。
米沢牛専門店さかの
米沢牛専門店さかのさんのお肉は、米沢牛の味わいにもう一押し欲しいところに、独自のタレが絶妙にマッチングされた最高のセットを楽しむことができます。

米沢牛さかのさんの詳細レビューはこちらから!
【米沢牛】さかのレビュー詳細あり!最強コスパ肉!もっちり甘い牛肉を堪能すべし!

第9位 佐賀牛
100gあたりの平均価格 | 140円 |
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肉質の特徴 | 肉の目が粗いが非常に柔らかい |
原産地 | 佐賀県 |
焼肉 | |
しゃぶしゃぶ | |
ステーキ | |
すき焼き | |
プロのおすすめ度 |

佐賀牛もその名の通り、佐賀県で飼育された黒毛和牛のことを表します。
等級は4以上で霜降り度合いが7段階以上の牛肉が、佐賀牛を名乗ることが許されるのです。
牛肉の審査基準の中では、佐賀牛は全国で2番目に厳しいことで知られています。
これは裏を返せば、味や品質にそれだけこだわりをもっており、自信があるということだと言えます。
佐賀牛も普通のお肉と比べると非常に柔らかく、食感も抜群のお肉です。
佐賀牛の購入におすすめの『森山』
森山さんのお肉は、佐賀牛でも比較的に柔らかめの部分をチョイスしていることが多く、肉の味もしっかりとしています。
いわゆる当たり外れが少なく、品質が安定していることから、購入する消費者としては、とても安心感のある販売業者さんです。
第10位 宮崎牛
100gあたりの平均価格 | 110円 |
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肉質の特徴 | 食感があって硬いと感じにくい肉質は粗目 |
原産地 | 宮崎県 |
焼肉 | ★ |
しゃぶしゃぶ | ★ |
ステーキ | ★ |
すき焼き | ★ |
プロのおすすめ度 | ★ |

宮崎牛とは、その名の通り宮崎県で飼育された黒毛和牛のことを表します。
しかも、4等級以上の牛肉しか名乗ることのできないものが、宮崎牛でもあります。
霜降りの度合いや肉の締まりやキメ、色、などの4項目から、厳選に厳選を重ねて選ばれます。
宮崎牛の歴史は以外にも割と浅く、1986年にブランド牛として認定されました。
とはいえ、4等級以上の牛肉ということもあり味は超一級品。
絶対にはずさない黒毛和牛としても、宮崎牛はおすすめの牛肉と言ってもいいでしょう。
ブランド牛をもっとお得に購入する方法とは?
ふるさと納税の活用はブランド牛を購入する上でとくにお得な方法の1つと言えます。
初めての方は確定申告の手続きに多少戸惑うかもしれませんが、節税も出来て神戸牛が返礼品で貰えるとなると、むしろ利用しない方が損をしてしまうほどです。
サラリーマンなどの方であれば「ワンストップ特例制度」などの活用で確定申告をしなくても控除を受けられる制度もあります。
返礼品の量が増えているキャンペーンが2020年10月22日から行っていますのが、人気の返礼品は早めになくなってしまう傾向にありますので、気になる方は早めにチェックしてみましょう。
まとめ
牛肉の専門家である私は、卸として普段は枝肉や生体の仕入れを行っています。
全国の様々な地域から牛を見極めた上で、今回のランキングに私のおすすめ度を表しておきました。
肉のプロである私も「何度でも食べたい極ウマ肉!!」と魅力を感じた牛肉を、個人的な主観から評価してあります。


牛肉には、様々な品種とブランド牛と言われるものがあります。
品種の中には和牛の「黒毛和種(牛)」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」があり、これらから他の品種と交配したものが「交雑種」と呼ばれています。
また、牛乳を搾る目的で育成されたものが、「ホルスタイン」です。
国産として販売されている牛肉は、日本での飼養期間が長いと国産となります。
例えば、和牛が日本で生まれたとしても外国で育つ期間が長いと国産にはなりません。
ですから、それらが日本で販売されたときは、外国産和牛として販売されたます。
ブランド牛は、国産と断定されたものの中で、優れていると評価された牛がブランド牛になります。
お肉屋さんの業界では「銘柄牛」と言われています。
ブランド牛は2020年時点で全国331もの種類があります。
これでは、多すぎてどれを選べばよいの分からないのは当然です。
今回は、実際に創業100年の歴史のある牛肉の卸問屋の視点と、プロである私自身が全国の様々な地域で仕入れている経験を踏まえてランキングを作成しました。
一般的には語られることのないリアルな視点で独自の評価を踏まえたブランド牛ランキングをご紹介したので、ご購入の参考になると嬉しいです。
和牛についての詳細記事はこちらから

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