松阪牛やブランド牛などの牛肉の鮮度を保つ3つの管理方法とは?

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松坂牛やブランド牛は、非常に高価なものになります。

牛肉の管理方法といえどあなどっていては、変色が進む一方です。

今回は、専門的に内容になりますが食肉を取り扱ってい方々においては必要な知識となります。

この記事を読むとわかること
  • 牛肉の変色の原因について解説。
  • 牛肉の変色への防止方法を解説。
  • 牛肉の鮮度を保つ方法。


是非とも参考にして頂きたいと思います。

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目次

鮮度や品質を低下させる要因とは?

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家畜が屠畜され、最終に消費者に食されるまでの間に、

屠畜⇒枝肉⇒水洗⇒予冷(枝肉)⇒低温熟成⇒部分肉加工⇒部分肉⇒包装⇒規格部分肉

のとおりの各段階で商品加工されていきます。

※「枝肉」とは、と殺、放血が終わって頭部や足先の切断、はく皮、内臓の摘出をし、検査を受けた「獣体」を一般的によびます。

「半丸・枝肉」とは1頭の枝肉を背骨から垂直に半割した片側(0,5頭)を通称します。

家畜の筋肉は生きている状態(生畜)では病原菌に侵されている特別のとき以外(筋肉中は無菌状態)は無菌状態になります。

屠畜処理以降消費者に商品として提供されるまでの間に、

①微生物的要因、②化学的要因、③物理的要因の3つによって品質作用(品質劣化)を起こします

したがって食肉の鮮度保持あるいは品質劣化防止、いうなれば品質管理はこの3つの要因に対し適切に対処することが大切です。



微生物的要因

前述にあった微生物についてご紹介していきます。

無菌状態

微生物とは

海水・土壌・空気中や家畜の腸内等には、その場所を好む多くの微生物が存在しています。

それらは、細菌・カビ・ウィルス・リッチケア・酵母などですが、食肉の変質を起こし、人間の食中毒や疾病の原因になるのは細菌・カビ・酵母が主となっています。

細菌は、6000種類以上も存在し、菌の形態から「かん菌」・「球菌」・「らせん菌」・「放線菌」にわけられます。

また、酸素を好むか好まないのかにより、「好気性菌」・「通性嫌気性菌」・「編性嫌気性菌」。

そして、増殖温度により「低温菌」・「中温菌」・「高温菌」などに分類されます。

微生物的要因に関する鮮度保持方法

微生物の増殖するのに必要な主要因子は、温度、水分、PHになります。

温度について

  • 低温細菌の発育温度は、0℃~25℃で、至適温度は15℃~20℃になり、好冷細菌ともいいます。水中細菌、低温食品の腐敗細菌などがあります。
  • 中温細菌の発育温度は、15℃~45℃で、至適温度は35℃~38℃になり、病原菌の大部分になります。
  • 高温細菌の発育温度は、45℃~75℃で、至適温度は50℃~65℃になり、土壌細菌、温泉水中細菌などがあります。

食肉を汚染している微生物の大半は、主として0℃から45℃位で増殖します。

また、食中毒を起こす菌(サルモネラ菌、O-157等)はそのほとんどが5℃以下の保存が要求されます。

水分について

食肉中の水分のうち微生物が自由に使える水分を自由水といい、この水分の率をを表す言葉に、「水分活性(AW)」があり、この数字が小さいほど菌の増殖がおさえられます。

食品衛生法では、非加熱食肉製品(生ハム)のAWは0.95未満、乾燥食肉製品(ドライソーセージ)のAWは0,87未満と基準が設けられています。

PHについて

微生物の生育最適PHは、PH6,8~8,0であり、(肉のPH値は5,8~6,8)食肉と食肉製品のPHはこの範囲にあるので増殖しやすくなります。

しかし、「かび」のPHが、0~6,0の範囲で増殖するので、発育しにくい。

よって微生物の制御のポイントは、

  • 微生物の存在
  • 温度管理
  • 栄養源
  • 水分
  • 時間の経過

が重要になってきます。




微生物による変質防止①

微生物による変質の防止するためには、①冷蔵・冷凍、②脱水法、③加熱法、④塩蔵・糖蔵、⑤くん煙、⑥食品添加物、⑦PH調整の7つの方法が考えられます。

化学的要因に関する鮮度保持法②

化学的要因による品質低下は、酸素との結合による色の変化や脂肪の変化が起こります。

このため、包装が有効な手段として使用されます。

すなわち包装の目的は、①変色、乾燥(目減り)、酸化など空気を遮断して防ぐこと、②外部との散逸と他からの異常な臭いの吸着を遮断することです。

真空包装

部分肉の長期冷蔵保管を目的に一般的に利用されており、通気性の小さいプラスチックフィルムが使用されています。

これはミオグロビンを還元型にとどめておき、精肉加工時に空気中の酸素と結合して、オキシミオグロビンになり鮮紅色を呈すことになります。

また、真空包装作業時には完全脱気することにより、包装内部に残存する空気の影響を排除することや密着包装させるため、真空脱気後の熱処理が行われます。(シュリンカー)

プリパッケージ

小売の段階のトレーパック包装ですが、低温ケースで販売中に酸素との結合によってオキシミオグロビン(鮮紅色)に変わって商品の見栄えをよくするため、酸素の浸透性のフィルムが使用されます。

鮮紅色を保つには、酸素との接触が適度で乾燥させない他に、氷結しない限りできるだけ品温を低くすることが効果的とされています。

ガスパック包装(CA貯蔵)

ミオグロビンのメト化酸化防止のためガス注入による含気包装が行われます。

この場合は炭酸ガスと窒素ガス及び、酸素ガスなどの混合ガスが使われています。

冷却した畜産食品の貯蔵期間において、食品の貯蔵期間は温度と包装状態に大きく影響します。

また、酸化防止のため、専門店、量販店での仕掛け貯蔵品の管理が極めて重要であり、フィルムもしくはミートペーパー(吸水シート)による包装が必要です。

物理的要因に関する鮮度保持③

  • 乾燥、脱水による品質低下であり、包装容器内の気密防止、積み重ねる荷重、外圧を防ぐ必要があります。
  • 凍結及び、凍結による風圧に伴う退色が主ですが、(光もあります)この対策としてはフィルム包装でかつ密着包装が必要です。

 



まとめ

品質を維持していくには、微生物的要因と化学的要因、物理的要因をおさえることにより、維持していくことが可能になります。

いかなる加工施設や家庭においてもこの原因と対策を用いることにより食品は、日持ちし、安全に食することができます。

ここを間違えてとらえると事故につながる原因となりますので是非とも大切なポイントとして置いておきたいところです。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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