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牛肉の部位名は数多く存在し、英名もかなりの数があります。
その中でも疑問点が多くよせられた「アウトサイドフラット」についてご紹介していきます。
目次
米国やオーストラリアの部位名でそとももを分割後の「なかにく」になります。
日本での部位は、様々ありますが海外では独自の部位名と料理用途などによって違いがあります。
ここでは、海外でのアウトサイド(そともも)の分割後のなかにくの分割からアイテム作りを記載していきます。
また、アウトサイドフラットとは、日本名で「なかにく」ともいいますが、地域によっては「なかしき」ともよびます。
「なかにく」のアイテム(商品づくり)
関東名・・・なかにく(なかしき)
関西名・・・そとひら
英語名・・・アウトサイド・フラップ
部位の特徴
肉厚の赤身肉で、肉の目も変化している硬い部位です。特に肉の薄い部分は硬い。
味は、非常に淡白になります。
アウトサイド・フラップの用途
日本でのの商品用途においては、すき焼き、しゃぶしゃぶ、たたき、佃煮、切り落とし、肉じゃが、カレー、などに使用されています。
三分割して商品づくりする方法
1の肉がうすい部分は、特に硬いので切り離してカレー用にします。
他の商品づくりは避けた方が良いと思います。
2の肉の目に直角に切るために分割するもので、ロスは出ますが本格的なしゃぶしゃぶ、すき焼き用に商品づくりにするのによいと思います。
イチボ側は、切り落とし用にも、このように三分割するほうが良いと思います。また、肉厚のものは、さらにこれを切り開いて商品づくりし、小さいものは、横に二分割して商品づくりすると良いとおもいます。
※切り落とし、すき焼き用には、そともも部位の単品ではつくらない方がいい。必ずばら部位などの脂肪のある部分と混ぜあわせたほうが味がよくなります。
そともも部位の筋引き方法
そともも部位の外側の脂肪を取り除き、すじを引きます
- 脂肪を3ミリ程度残し、余分な脂肪を取り除きます。
- はばきの部位の先端より、そともも部位に向けて大きくすじをひきます。
※脂肪のついていないすじの見えるところは、すじを引きます。
内側の脂肪を取り除き、しきんぼうの部位のすじをひきます。
図の矢印のところに食い込んでいる脂肪を三ミリ残して、後は取り除きます。リンパは必ずあるので、取り除きます。
すじの上の脂肪を取り除き、はばき、そともも、しきんぼうの順に取り除きます。
しきんぼうの上面のすじを引きます
このすじは薄いので、切れやすいので注意深く引きます。
「はばき」上面のすじを引き、そともも中筋の太いすじを引きます。
はばき上面のすじをひき、すじは、しきんぼうのところまでひき、それ以上にはナイフをいれないようにする。しきんぼうの下まで引くと肉がバラバラになってしまいます。
※小割するときは、このすじは引かないようにします。分割してからの方がひきやすいです。
- そともも手前の太いすじを引きます。
- 引くのは、しきんぼうのところまででそれ以上にナイフを入れない。※小分割するときは、このすじには手をつけないようにします。
はばき部位の内側のすじをひき、そとももの広くて太いすじを引きます。
- はばき部位の内側のすじを引きます。このとき、ひきやすいようにはばき内側を平らになるようになでて、上の方からすじを引きます。
- せんぼんすじの付け根は、太い厚みのあるすじですが、これはえぐるようにとります。
- 薄いそともものうえのすじを引きます。
- 次に、太いすじを手前に3分の1位引きます。このとき、太いすじの上方をひいておきます。
- ナイフを逆手に持ち、太いすじを引き上げます。
はばき部位を分割します。
- 境目に沿って、そとももよりはばきを取り除きます。
しきんぼうを分割します。
- すじに沿ってしきんぼうとそとももの境にナイフを入れ、しきんぼうを切り離します。※すじといっても、ごく薄いもすじです。これをしきんぼうの部位に沿って離します。しきんぼうは丸みがあるので注意を。
- しきんぼう部位のすじをひきます。
※皮下脂肪は薄く残します。
なかにく部位、こそともも部位の分割
- 先に、そともも上面、はばきを分割した後の脂肪、その下のすじを取ります。
- なかにく、こそともも間の太いすじにそってナイフを逆手に持ち、そともも、こそとももを分割します。
- ナイフを逆手に持ち、こそともものすじをひきます
まとめ
そともも部位は、味が淡白な状態のためスライスする場合には、他の部位と混ぜ合わせると、味わいがよくなりますが、これをロスなく最後まで上手にスライスすることは、難しいです。
例えば、断面の大きいリブロースやかたロース部位などは、スライスしていて、部位が残り少なくなると、どうしても最後まで上手にスライスしづらく手切りにするか、切り落とし材にするしかないと考えられてしまいます。
そうすることも良い場合もありますが、最後まで切ることによって上手に商品を活用でき、利益も上がり商品づくりのできることが多いと思います。
最後まで切りたいときは、切る部位と同じ断面、大きさのものを後ろに重ねておくことで、ほぼ最後まで商品づくりすることができます。
ご参考までに。