牛肉を購入する時、どのようなことを見て選んでいますか?
私自身もスーパーやネットで牛肉を購入する時は気をつける点は必ずあります。
できれば失敗をしたくないのが本音。
正直、食べてみないとわからないことがありますが、できれば柔らかい肉であっておいしいものを選びたいですよね。
今回は、適切な牛肉の見分ける方法についてご紹介していきます。
ただし、大切なのは国産の牛肉であっても、輸入牛肉であってもおいしくするのは料理の仕方です。
お肉には「罪」はありません。
硬い肉にはやわらかくする方法は様々。
おいしするには焼くき方や煮込み方が大切です。
ですから、いくらよい選び方をしても牛肉を活かすことはできません。
- 牛肉が硬い原因とは?
- 牛肉の柔らかい肉と硬い肉の選び方とは?
- おいしい牛肉の見分け方とは?
ブランド牛や和牛、国産牛肉や輸入。
品種からの選びなど専門的ことではなく、国内で販売されている牛肉の選び方についてご紹介していきます。
ただ、創業100年の牛肉卸の品質管理を行っている私個人の主観も入ります。
「100%でこの選び方がよい!」なんてことはありません。
注意しながら参考にしていただければと思います。
牛肉の柔らかさや硬い肉とおいしさを見分けるポイントは3つだけ!
スーパーなどで売られている牛肉のおいしさを見分けるポイントは「部位」「肉の繊維」「水分量」になります。
牛肉の部位にはそれぞれ特徴がありますが、それぞれ硬さと柔らかさ、肉の味わいの違いがあります。
特徴を知っていなければ、どのような料理に向いているのかわかりません。
牛肉の繊維には一定方向と幅がありますが、繊維の方向と幅がわからなければ食感が変わり、硬いと感じる場合があります。
水分量とはみずみずしさをあらわしますが、みずみずしい部位には栄養価が豊富で旨味が多く含んでいますが日持ちが悪い特性をもっています。
ただし、水分量が少ないからといって不味いとは限りません。
プロでも牛肉の選び方に悩むことは多々あります。
捌いてみないとわからないことや食べてみないとわからないことが多々あります。
そのための基準として格付けや経験によって判断しています。
それを教えることは非常に難しく、教えられる方も難しいものになります。
また、プロは生きている牛や枝肉と呼ばれているものから選んでいることから伝わりにくいと思います。

しかし、牛肉のプロの経験からしっかりとポイントをおさえておけばそんなに難しいことではありません。
牛肉を選ぶ最適な方法としては、、、
- 料理にあった適切な部位を選ぶ。
- 牛肉の硬さは繊維の幅をみる。
- みずみずしい牛肉にはうま味が豊富!(水分)
になります。
では、なぜこのポイントをおさえる必要があるのか適切に応えていきます。
料理にあった適切な部位の選び方とは?
牛肉には、13部位と決まっている名前があります。
すべて覚えておく必要はありませんが、部位にはどのような位置があり、どのような特徴があるのか知っておく必要があります。
ただし、覚えるのは至難なので忘れた場合は、スマホなどですぐさま見れるようにしておけばよいです。
ではスーパーなどでみかける部位の名前は、「すね、ネック、肩ロース、肩バラ、うで(カタ)、リブロース、ヒレ、サーロイン、バラ、うちもも、らんいち、そともも、しんたま」になります。

あれ?
部位の図と部位の数が合わないと思うかもしれませんが、法律では「まえすね」と「ともすね」はまとめて「すね」とよび、「しんたま」と「うちもも」はまとめて「もも」とよびます。
なぜこのようなわかりづらく名前での分け方になっているのか法律の専門家ではないのでわかりませんが、このように部位がわかれるのは料理の用途であったりそれぞれの部位にあった特徴からわけられています。
ここで知る必要があるのは、部位がどの位置にあるのかです。
牛肉はよく運動する(よく動く)部位は硬く、めったに運動しない(動かない)部位は柔らかいという特徴をもっています。
特徴から見て、ヒレはめったに動かさない肉質ですので牛肉の全体としてはもっともやわらかく、すねは(足)はもっとも動くため硬いということになります。
このことから、リブロースとサーロインの境目付近から外側にかけて肉質は硬いということになります。
サーロインやリブロースはやわらかい傾向にありますので肉を厚切りにしても問題はありませんが、すねは厚切りにすると硬くて食べられないということになります。
ただし、サーロインはももに近いほど硬くなりますのでサーロインだから柔らかいとは言い切れません。
大切なのは柔らかい部位を中心に外側へいくほど硬くなるということです。
料理の用途でいえば柔らかく食べたいステーキや焼肉は、ヒレ、リブロース、サーロインになります。
硬い部位は煮込んで柔らかくなるため、ももやそともも、すね、肩ロース、肩バラ、かた(うで)、ネックなどになります。
煮込み料理に最適ということです。
らんいちはお尻のお肉なので柔らかい傾向にありますが、ポッチャリした牛なら柔らかく、引き締まったお尻なら硬いので焼肉が多いです。
これが基本的な牛肉の選び方になります。
牛肉の繊維は柔らかい肉と硬い肉の見分けるポイント!
牛の全体をみることで部位の位置によってステーキや焼肉、煮込み料理に適していることがわかりました。
といっても、それだけでは柔らかい本当に柔らかいとは言い切れません。
実は、部位の位置にも柔らかい箇所か硬い箇所があります。
牛肉を見極めている人は、見ただけでわかります。
では牛肉のプロはどのように見ているのでしょうか?
それは、牛肉の繊維の幅を見ています。
牛肉といえど筋肉の集合体になります。
繊維が固まり、収束されたものを筋肉になります。
また、繊維の収束と収束の間にすじがあり、「筋張っている」と感じる原因になります。
そして、この収束の幅が広いほどすじが硬くなる傾向があり、硬さを余計に感じるのです。
逆に繊維との幅が狭く密集しているものは、すじがやわらかい傾向になります。

ももの中でもとくに硬いとされるそとももの「しきんぼう」は非常にわかりやすいのですが、繊維の間の幅が広いことがわかります。
逆に柔らかいとされるサーロインの断面をみると繊維の幅がせまい傾向にあります。

和牛やブランド牛の牛肉は、この繊維と繊維の間に脂肪が入り込んでいることから霜が降っているように見えるため、「霜降り」と呼ばれます。
霜が降りの状態が綺麗に密にみえるほどやわらかい。和牛やブランド牛の柔らかさの秘密はここにあるのでしょう。
また、和牛やブランド牛でどのようなものがよいのか?参考になる記事をご紹介しておきます。

牛肉を選びには繊維の幅ができるだけ狭いものを選んでみましょう!
おいしさの秘密には水分量が関係している!

牛肉のおいしさの秘密とはなんでしょうか?
人のおいしさを感じるのは、見た目と臭いがポイントになります。
焼きあがったばかりのステーキに誘われて食欲が湧くということはあります。
お肉は焼き上げると独特と香味を発し、私たちの口元で大きな満足感を与えます。
しかし、どのようなお肉を焼いて食べても満足いかない場合があります。
それは肉のそものの味わいです。
実は、牛肉そのものに味わいがあるものの人が満足させてくれる秘密が水分です。
牛肉のうま味成分といわれる物質に「オレイン酸」というものがあります。
これが多く含まれるほどうまいと感じると言われています。
過去の業者間での取引にオレイン酸の含有量も含もうという声もあがりました。
そして、今含有量を左右されるのが牛肉の中にある水分です。
例えば、パサついたお肉にうまさを感じたことはありますか?
ほとんどの方はないかもしれません。
みずみずしい牛肉ほどおいしいのです。
牛肉を選ぶポイントとしては、牛肉のパックしたものを少し傾けて汁がでてこないことや乾いた牛肉を選ばないことがコツです。
また、冷蔵庫にいれたままだと乾燥してしまいますので、きちんとラップをすることや冷えすぎた牛肉は水分が肉全体に行き渡らないため、焼く前などの調理する前はできるかぎり常温に戻すことをおすすめします。

まとめ
以上のことから柔らかい牛肉と硬い牛肉の見分け方についてご紹介してきました。
ちょっとまとめますと、、、
- 柔らかい牛肉を選ぶなら部位の位置を知る。
- 牛はサーロインとリブロースの境目あたりから外側にかけて硬くなる。
- 牛肉の繊維の幅がせまいと柔らかい傾向。繊維が広いと硬い傾向にある。
- 牛肉のおいしい見分けるポイントはみずみずしい牛肉を選ぶほうがよい!
以上になります。
最後まで読んでいただいたお礼に。。。
柔らかく選ぶポイントとしてもう一つだけご紹介しておきます。
牛肉の柔らかさを知るには弾力が大事です。
人差し指でそっと牛肉を押してみてください。
へこんだ箇所が戻ってくるスピードで柔らかいか硬いかがわかります。
へこんだ箇所がゆっくりと戻ってくる場合は、硬め。早くもどる場合はやわらかく、身がしっかりしています。
これらは切った時にはわかりますが戻りが遅いと、切るときに肉が包丁に引っ張られ、引っ付いたようになります。
これは牛肉を噛んだ時にも影響するもので、硬いものは顕著にあらわれます。
柔らかいものは、簡単に切れます。
ただし、牛肉を押すと肉が傷むためお店の人に怒られるかもしれませんのでやりすぎ注意です。
また、繊維と繊維の間のスジが硬い傾向にある輸入牛肉の場合は、ジャガートなど活用することですじが断ち切られ柔らかくすることができます。
硬さの大きな原因はスジにありますので是非使ってみては!
では次回に!
