牛肉の部位とは?徹底解説します!

スーパーや精肉店(専門店)、焼肉屋などにある牛肉の部位名をよく見かけると思います。

精肉店やスーパーになると表示義務がかせられていて、今では当たり前のように見かけますが、何故、もも、うで、ネックなど決められ、どこが決めたのか?何のために決められたのか?

今回は、牛肉の部位について徹底解説いたします!

お肉の部位名とは!?

牛肉の部位は、意味があって決められています。

食肉業界においては、それぞれの牛肉の部位に味やかたさなどの特徴を抑え、料理の用途に合わせた形と、食肉の流通を円滑に進めて行くためにあります。

法規では、ラベルや広告などに表示義務がかせられ、消費者の信頼と公正な取引のために決められています

牛肉は、やっぱカルビが好きです!と言われる方がいますが、扱う業者によってそれがバラなのか、モモなのか、カタロースの一部分なのか、それぞれ違います。このように語弊がないように取り決めがなされています。

ちなみにカルビは、骨付き肉という意味です。

牛肉の部位は、どのような工程を経て店頭やメニューに並ぶのか?

牛肉は、「生体」から「精肉」まで(商品になるまで)大きく形態を変化させながら流通しています。

まず、牛の生態をと畜し、皮・内臓・頭部・血液等の副産物を除去し、さらに左右を半分に切断して、「枝肉」となります。左右のいずれか一方の事を半丸ともいいます。

この枝肉から骨・脂肪等を除去して「部分肉」となり、さらに、部分肉を筋肉の特徴の境目に分割し脂肪・すじ等を除去した部位を切り身・スライス・ミンチにしたものが「精肉」(商品)となります。

何故このようにするかといいますと、人が食べやすく、料理をしやすく、人が嫌がる部分を除去するためにあります。

「生体」「枝肉」「部分肉」「精肉(小割を含む)」と形態変化させる食肉ではありますが、そのいずれかの段階でも商品として取引されています。

肉部位名は、どこが決めたの?

牛肉の表示について、食品衛生法、JAS法、、牛トレーサビリティー法、景表法、計量法などによって規定されたものがあり、これをうけて、更に細かく決められたもの施行規則や各省庁の通達に従って行います。これを総合的にまとめたものが「食肉公正競争規約」となります。

牛肉の表示に関して、大元になっている「(社)食肉格付協会」では、牛部分肉取引規格においては部分肉とされていますが、法律面では、部位名となっており、部分肉と部位名は、同じような名前ですが違いがあります。

部位表示 部分肉名
ネック かた
かたロース かたロース
リブロース リブロース
かたロース かたロース
ヒレ(ヘレ) ヒレ(ヘレ)
ばら かたばら・ともばら
もも うちもも・しんたま
らんぷ らんいち
そともも そともも
すね まえすね・ともずね

法律の面と食肉の業界では、同じ名前であっても違いがあることがわかります。

牛肉の部分肉を販売している業態と小売店やスーパーは、部位名で販売しなくてはなりません。

牛肉は、筋肉の集まりなので多くの商品が現在販売しており、部分肉から小割していくと、150~200項目はあるとされています。

関東ではヒレで、関西では、ヘレというように東と西側で部分肉の名前が違い、小割りしてもそれぞれの呼び名がありますので非常に複雑なものがあります。

牛肉の部位の正式な名前は、部分肉として部位名に分かれますが、食肉の規格においては部分肉の表示では部位名となります。

しかし、部分肉の規格が部位名になっていますので部分肉と名称がわかっていれば問題ありませんし、表示名以外の名前については部分肉を分割した名称となります。

ただし、牛肉の部位表示については飲食店については原則表示しなければならないというのはありません。あくまでも飲食店以外の業態について決まっています。

牛部分肉の格付け

規格証票
規格証票

牛部分肉取引規格(格付け)は、以下のように決められています。

部分肉の分割及びその名称

この規格に定める牛部分肉は、半丸枝肉を別表1に定める分割・整形方法により分割、整形するものとし、その各部分肉の名称は「ネック」、「かた」、「かたロース」、「かたばら」、「ヒレ」、「リブロース」、「サーロイン」、「ともばら」、「うちもも」、「しんたま」、「らんいち」、「そともも」、「すね」の13とする。

肉質等級及び重量区分

肉質等級

部分肉の「肉質等級」は、当該部分肉が枝肉段階で別表2の牛枝肉取引規格により格付された「肉質等級」をそのまま適用するものとし、その等級の呼称は「5」、「4」、「3」、「2」及び「1」とする。

重量区分

部分肉の「重量区分」は、別表3に定める「重量区分」とし、その区分の呼称は「S」、「M」及び「L」とする。このように部分肉では、流通の円滑による規格が定められいます。

A5などのように枝肉の表記もありますが、部分肉にもあります。ただし、全国的にみてもあまり活用されていないのが現状です。

出典「(社)食肉格付協会」(牛部分肉取引規格)

牛肉の部位を見てみよう!

部位名でなんとなくどこにあるのかわかるものの、どんな形をしているのかご存知ですか?

全部位をまとめましたので、ご参考までに。

ネック

牛肉のネック

肩ロースから頭部の間にある部位になります。

ヒモのような部分は、品種によって焼肉に使われ、頚椎に沿った肉になりますがお店によっては希少なめヒモだけで、かなり高価に取引されています。

コリコリした食感とタンパクな味わいですが、壺漬けなどのタレに良く絡みあうので人気があります。

残りは、非常に硬い肉質ですのでこま切れに使われます。

かた(うで)

かた(うで)

肩甲骨から肘あたりについている牛肉の部位になります。

あっさりしたものの硬めが印象的ですので、うす切りやしゃぶしゃぶ用などに使われます。

これを分割すると、ミスジがとれます。あながち焼肉としてもつかえる部分が多くあります。

例えば、さんかく(くり)という部位で、見極めは難しいですが焼肉としてもいけるので中々あなどれない部位になります。

また、とうがらし(とんび)は、過去にユッケとしても使われ、品種によっては焼肉として使われることがあります。

リブロース

牛肉の部位で高価な三大ロイン(サーロイン、リブロース、ヒレ)の一つ。

肩と背中の間にある部位になりますが、肉の中心に大きな面があります。

これを肉芯といいます。

アメリカなどはリブアイロールという商品があるように「目」としていわれています。

ここが大きいと、日本ではかなり牛肉の評価が高くなります。

肩ロース

肩ロース

人間でいうと首の付け根から背中の一部分になります。

主にしゃぶしゃぶ、すき焼きとしてつかわれますが一部は焼肉としても使われます。

特に「ざぶとん」といわれる部分の味わいは、だれもが満足できるだけの肉質。

ヒレ(ヘレ)

誰もが知る名前と高価な牛肉の部位ではないでしょうか。

一頭からわずかしかとれない部位のため、希少価値大といわれます。ほとんど筋肉を動かしていないことから、肉の柔らかさは他の部位を圧倒します。

ステーキがほとんどになります。

ばら

中バラ
外バラ

牛肉の卸業者の中では「ばら」を2分割にして取引されています。

「中バラ」「外バラ」を総称して「ばら」としていますが、お腹の牛肉をさしています。

「中ばら」は、背中側で「外バラ」はおへそ側といっても良いでしょう。

脂と肉がほどよく絡み合い、肉質の硬さから主に焼肉用として使われます。ただ、部位を分割すると「かいのみ」「フランク」など特徴的な焼肉を味わうことができます。

フランクは、笹の葉の模様をした脂があるため一部の焼肉店では「笹の葉カルビ」という名前があるくらいです。

もも

うちもも
しんたま

主にももの内側になります。

うちももは、かたちがよいので「たたき」「ローストビーフ」によく使われます。

しんたまは、牛肉の肉質が硬めであるためコマ切れなどにつかわれますが、肉質が良いものは、分割し「しんしん」などの部位に分かれ、うす切りの焼肉に使われます。

味わいは、タンパクになります。

赤身の牛肉を食べたい人には、うってつけになりまが、水分の含有量を多く含みますので、部位の中では栄養価が高い素材です。

ただ、デメリットとしては火を通すと縮む特性が他の部位より大きくみられますので、焼き方に難点があります。

らんぷ

らんいち

部位名はらんいちになります。

お尻のあたりの牛肉になりますが、写真奧側がサーロインとつながり、手前がそとももへとつながっていきます。

サーロインとつながっている側の肉質はやわらかく、そとももに近くなるほど硬くなる特徴をもっています。

この牛肉を分割しますと「いちぼ」などにわかれますが、一部ではステーキとしても使われることあり、硬い方向にいくと焼肉としてつかわれていきます。

そともも

そともも

硬い肉質は、良くてスライスものに使われますがしぐれ煮などの料理には最適な素材になります。

ほとんど肉の味がしないため、正直、牛肉の部位の中では不人気な部位です。

すね

まえすね
ともすね

牛肉のすじとしてつかわれる「すね」部位は、「まえすね」「ともすね」として分けられます。

まえすねの「まえ」は前足の事をあらわし、ともすねの「とも」は後ろ脚をあらわしています。

どちらもスジが多く入り込んでおり、主に煮込みものとしてつかわれますがこの部位を分割すると「たわら」「せんぼんすじ」などの貴重な焼肉がとれます。

シロのような歯ごたえと肉の味がしっかりとでるため、隠れた珍品としてコアなファンに人気になります。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回のまとめになりますが、

  • 生体からの形態変化によって部分肉がある
  • 部分肉は、流通においての規格であり、表示については部位名と違いがある
  • 部分肉にもランクがあり、評価基準が決まっている。

以上ですが、おわかりいただけましたでしょうか?

この部分肉の名称以外になると、小割(分割)したものが多いですが、それぞれの部分肉にはしっかりとした特徴がありますので、そこを抑えて料理すると更なる美味しさが楽しめます。