牛肉の部位サーロインがステーキになる由縁とは?

牛肉のサーロインといえばステーキの代名詞と言えますが、サーロインのサーとは、爵位を与えられるほど評価が高い牛肉の部位になります。

海外ではさまざまな牛肉の部位がステーキとして使われますが、日本においてはごく一部がステーキとして使われます。

日本人のアゴの強さが海外の方々と比べ弱いため、硬い牛肉を食べきられないことから、牛肉の部位の中でも比較的やわらかい部位をステーキにするからです。

お店によっては、1cmをステーキに2,5mmから4mm程度を焼肉にというふうに区別されますが、ステーキと焼肉にどちらの方にカットするかは部位の特徴である硬さややわらかさで、きめ細かく決められています。

海外の方と日本人の方のアゴの強さの違いから、硬さ、柔らかさの感覚が違うために日本では肉の特徴をしっかりと抑えながらステーキにするのか、焼肉などにするのか決められています。

今回は、その肉の特徴をおさえながらサーロインが何故ステーキとして扱われるのかご紹介します。

牛肉の部位の特徴からステーキとして決められている!

私たちが食べている牛肉は、筋肉になります。

筋肉は、よく運動する部分を硬くなり、あまり運動していない部分がやわらかいと感じます。

これが肉の特徴でもっとも抑えておくべき点になります。

では、ステーキや焼肉の違いとは一体何か?他の部位でステーキ可能なのか?触れていきたいと思います。

ステーキと焼肉の違いについて

実は、ステーキと焼肉の違いには、それぞれのお店の独自の価値で決めているところがあるようです。

焼肉よりステーキの方が価格(価値)が高いと一般的に考えられますが、全国的に焼肉には、厚さ何ミリが焼肉になると統一した決まりがありません。それぞれのお店が独自で決めているのが現状です。

しかし、お肉の専門性がたけているお店では、それぞれの牛肉部位の特徴を抑え一つの部位に対してどこまでステーキとして提供できるのか、どこまで焼肉として提供できるのか。

どこからがコマ切れとして提供するのか、肉質と肉のキメや原価計算のバランスによって決められています。

とくに重要になってくるのが、部位や小割した段階でのそれぞれの特徴である肉質とキメの見極めが職人達の大きな判断材料になってきます。

私が、職人達の中で修業していた頃は「お客様の口に入いるまでが、私たちの仕事だ」と耳が痛くなるほど聞かされていました。この考えは、今でも仕事に向かうときの指針になっています。

少し蛇足になりましたが、この牛肉本来の見極めを生かす事が焼肉やステーキの違いをつける決定的なものであると思います。

たとえば、牛一頭で一番やわらかい部位をわざわざうすく切る必要はありません。ヒレには、ほとんど肉の繊維が細かいので、どこからかんでもやわらかく感じます。

牛肉の繊維が硬さを感じにくいため、厚めに切りステーキとなります。

しかし、本来肉を切る際には肉の繊維に沿って切らず、繊維に対して直角にカットします。肉のかたさを一番感じるのは、肉の繊維ですので、このような方法でカットされます。

ハンバーグがやわらかいのは、ミンチにして繊維がほとんどない状態にしますのでやわらかく感じます。

ステーキで、注意すべき点は、お客様がステーキを自身で切り分けるため、歯に対して肉の繊維が直角になるよう繊維の流れを想定する必要があります。

肉

各牛肉の部位の特徴(小売表示基準)

小売表示において部位は、11部位となります。それぞれの部位の特徴を記載していきます。いわゆる入門編になります。

ネック

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首の部分で「カタロース」にもともとついています。一般的には、頭部から頚椎の三番目から四番目で切り分けられます。

これは、地域によって違いもありますが肉質の変化が著しく変わるところと、料理用途によって切り分けられます。

よく運動をする部分で、きめはあらく、肉質はかためです。豊富なエキス分、ゼラチン質をもっていいます。(品種による)コマ材かミンチ材によく使われます。

かたロース

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ロース部位の「かた」にあたる部分で、ネックと反対側の「リブロース」「サーロイン」に続いている筋肉です。きめが細かくやわらかい、肉質の優れた部位になります。

規格にもよりますが、小割した「ざぶとん」には、カットの仕方しだいで、ステーキにも可能になります。主にスライス用として使われる事が多いです。

かた(うで)

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「うで」の部分を総称して「かた」と呼びます。

よく運動をする筋肉の集合体で、きめがあらく、肉質はややかためです。ネックと同様にエキス分、ゼラチン質を豊富にもっています。

付随される「とうがらし」がありますが、主にスライス用か、コマ材に使われます。小割りした「こさんかく」の一部分は、焼肉用としても可能になります。

リブロース

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通常「リブ」か「ロース」と呼ばれる部位で、その断面は見事な霜降り状態になります。きめが細かく、やわらかい優れた肉質をもっているので、「ヒレ」「サーロイン」と並ぶ価値を持つ最高部位とされています。

スライス用としても使われる事がありますが、小割して「瓦(かわら)」とよばれる部位をはずしてステーキにもなります。

サーロイン

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「リブロース」と「らんぷ」に挟まれた部位で、きめが細かくやわらかい最高の肉質をもっています。

「サーロインステーキ」として有名な、ステーキにもっとも適した部位です。海外の軍人が「yes サー」といわれるように「サー」とは、上位の位の名が由来となります。

ヒレ(ヘレ)

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牛の部位と比較してもっとも運動をしない筋肉なので、一番やわらかい部位となります。

牛一頭から得られる肉量にたいして、ヒレの占める割合は3%だと言われています。語源はフランス語の「フィレ」で関西では「ヘレ」といわれています。

そとばら・なかばら

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そとばら
nakabara
なかばら

「そとばら」とそれに続く「なかばら」の境目はあたりは、繊維質、筋膜が多く肉のきめはあらいですが、赤身と脂肪が層になって霜降りになりやすい部位です。

大変、濃厚な味をもっています。

一般的にカルビといわれますが、大部分が焼肉として使われます。小割すると「かいのみ」「フランク」などは、特徴的な脂の入るぐらいで、希少性の高い焼肉になります。

うちもも・しんたま

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うちもも

「うちもも」は牛肉の部位の中でも脂肪が量がもっとも少なく、ほとんどが赤みなので、赤みを好む人には最適な部位です。

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しんたま

「しんたま」も脂肪が少ない赤みが中心の部位ですが、肉のきめは細かくやわらかい。

そともも

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もも系の部位ではもっとも運動量が多い筋肉なので、きめはあらく、肉質はかための部位です。スライスに使われることが多いです。

らんぷ

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「サーロイン」に接続している部位で、ロイン系の最高部位に次ぐ準高級な部位として評価されています。「らんいち」「らむ」ともよびます。

小割して「いちば」などは、ステーキとしてつかわれます。「らんぼそ」は、肉質によりますがこれもステーキに使われますが、ステーキに難しい場合は焼肉としても使われます。

すね(まえずね・ともずね)

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ともずね

前足のもを「まえずね」、後ろ足のものを「ともすね」とよびます。

肉質はかたく、腱の多い部位です。「ネック」「かた」と同様にエキス分、ゼラチン質を豊富にもっています。特に煮込み用などに使われます。

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まえずね

徴となりますが、お肉屋さんでは、「カタロース」「まえばら」「うで」「ネック」「まえずね」をまえとよび、それ以外の後ろ側をともとよびます。部位名や呼び名が多くそれぞの特徴を抑えるということは、大変ですがここを知らないと肉の良さが伝えられないことになります。

まとめ

牛肉の焼肉とステーキでは、各お店の基準で決められますが、最も重要になってくるのが肉質ときめになってきます。

さまざまな牛肉の部位の特徴を知ることにより、商品の広がりや肉の楽しみかた。そして、料理の内容が変わることになります。普段食べている牛肉の楽しみ方が変わります。

追記。
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